●G3カードはバスレシオがキモ
G3アップグレードカードでは、Newer Technologyのブースがいちばん賑やかでブースそのものも広いのだが、Newer Technologyのほかにも数社がG3アップグレードカードをリリースしているので、まとめてお送りする。
G3アップグレードカードは500ドルくらいから、高いものになると2,000ドル台というものもある。この価格差はG3のクロックの違いがまず挙げられるが、それだけではない。
G3チップの特徴は、遅いメインメモリと別にキャッシュ専用のバスを設けた点にある。このため、これまでと違って、CPUクロック対キャッシュバスの比(バスレシオ)が1:1に近づけば、その分パフォーマンスが上がるということになる。
275MHzのG3アップグレードカードでは、バスレシオが1:1となっているようなものは、キャッシュに使用するSRAMが非常に高速でないとSRAMがボトルネックになってしまい、パフォーマンスが得られない。このため、例えばCPUが275MHzでバスレシオが1:1のものでは、4nsというような高速SRAMが1MB搭載されており、このあたりが価格に大きく響いている。Power Macintosh 6100/7100/8100用のカードが比較的安いのも、これらのシステムバスクロックが30~40MHzと遅いためだ。
アクセラレーターはどれだけパフォーマンスが上がるかを各社が競っており、またMacでは利用者にプロフェッショナルユーザーが多いために、どうしても価格が高くなりがちだ。マシンパフォーマンスが仕事の効率に直結するようなプロフェッショナルユーザーでなければ、どのくらい速くしたいのか、対価格効果をよく見合わせて選ぶ必要がありそうだ。
●MacTell:「G3 PowerJolt」シリーズ
MacTellは主にプロフェッショナル向けの高性能Mac OS搭載機をはじめ、ビデオカード、アクセラレータなど広い製品群を持っている。5日に発表されたG3アップグレードカードも既存のG3アップグレードカード「G3 PowerJolt」シリーズに、新たに275/300MHzが追加された形だ。既存製品を合わせるとCPUクロックは233/250/266/275/300MHzがラインナップされ、キャッシュの容量、バスレシオの組み合わせなどにより7製品がラインナップされている。価格は233MHz、キャッシュ512KB、バスレシオ2:1のものが969ドルと最も安く、最も高い300MHz、キャッシュ1MB、バスレシオ1:1のものが2,795ドル(ただし同社のWebサイトではこれより100~200ドル程度安い価格が掲示されている)。
□MacTellのホームページ
http://www.mactell.com/
□製品情報
http://www.mactell.com/store/category.qry?t=261
●Sonnet Technologies:「Crescendo G3」
Sonnet Technologiesでは、5日に発表されたPower Macintosh 6100/7100/8100用の「Crescendo G3」アップグレードカードを展示していた。この製品は、ソフトウェアで自動的に最適なクロックを設定するオートコンフィグ機能が売り物だ。製品ラインは2種ある。Crescendo G3-231-240/512は、装着する機種のバスクロックによりCPUクロックを231~240MHzに上げる。512MBのキャッシュを搭載しており、価格は699ドル。上位製品にあたるCrescendo G3-257-270/1MBは、CPUクロックを257~270MHzに上げ、1MBキャッシュ搭載で999ドル。
□Sonnet Technologiesホームページ
http://www.sonnettech.com/
(1月9日現在、この製品の情報は掲載されていない)
●MacWorks:POWERLOGIX「PowerForce G3」
MacWorksのブースでは、POWERLOGIX社の「PowerForce G3」を販売していた。MacWorksはDayStarのMac互換機、「Millennium」シリーズなども扱っているシステムインテグレーター&リセラーだ。ちなみにDayStarは今回自社ではブースを出しておらず、MacWorksのブースにDayStarのG3マシンが展示されている。以前はDayStarといえばアクセラレーターの代名詞だったが、時代が変わったということだろうか。
POWERLOGIX社の「PowerForce G3」は、システムバスクロック50MHzのPower MacintoshやMac OS搭載機に対応している。G3のクロックは233/250/275/300MHzが用意されており、233MHzはバスレシオ2:1で512KBのキャッシュを搭載している。250MHz以上では1MBのキャッシュを搭載、250MHzではバスレシオ1:1のものと2:1のものが用意されているが、275/300MHzではバスレシオはいずれも1:1となっている。価格はExpo会場価格で799ドル~1,699ドル。
□POWERLOGIXのホームページ
http://www.powerlogix.com/
□Newer Technologyのホームページ
http://www.newertech.com/
□MACWORLD Expo/Tokyo98のホームページ
http://www.idgexpo.com/MACW/macindex.html
□MAXpowr G3製品情報
http://www.newertech.com/products/g3.htm
□関連記事
【1/7~】MACWORLD Expo/San Francisco現地レポート インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980107/macw_i.htm
('98/1/9)
[Reported by hiroe@impress.co.jp]