'98/1/6~1/9 開催(現地時間)
開催地:サンフランシスコ
●あらゆる手で攻める「Iomega」
また、Jaz用のアクセサリーもかなり豊富に揃っており、今回はJazドライブと重ねて一体化(といってもベロクロテープで巻くだけ)して、2時間ものバッテリー駆動ができるという充電式の携帯用バッテリーパック「Jaz Unleashed!」を発表。充電時間も2時間でOKというが、手にしてみると、さすがにズッシリとくるが、なかなかユニークな製品といえる。
ブースではコダック「DC120」を改造して、Clik!のドライブを載せたデモを行なっていたが、どう考えても無理があり、実用的ではないのは明らか。パーソナル向けのデジタルカメラへの採用は難しそうで、なかなか前途多難な感じがした。
やはり、同社の戦略を考えると、秒間6MBも消費してくれる動画の世界は大いに魅力的な存在なので、199ドルでも最終的な採算はとれるのだろう。
●Syjetで対抗する老舗「SYQUEST」、ORBで対抗する「Castlewood」
●「Intel用BeOS」登場
さすがにMedia OSを名乗るだけあって、CPUがPentium IIでもそのパフォーマンスには圧倒される。今回のデモ用のマシンはUMAXのPentium II 266MHzのデュアルプロセッサータイプ(もともと、BeOSは専用機であるBeBoxの時代からマルチプロセッサー対応だった)とハイスペックなものだった。
もちろん、PowerMacintosh版でもまだ日本語をサポートしていない(サポートは予定されているという)が、英語版のアプリケーションならば、グラフィック系、動画やサウンド編集はもちろん、ワープロや表計算といったソフトも用意されているので、英語圏ならばそろそろ実用になりそうだ。
もともとMacintosh用として登場したことから、Windows系のイベントでのデモはまだ行なわれていないが、近い将来、Intel版が登場した際には、ぜひとも日本国内のPCイベントでデモを実施して欲しいものだ。
●ハイパフォーマンスをアピールする「UMAX」
●“Mac Friendly”なWidnows NTベースのPentiumマシンを展開する「INTERGRAPH」
昨年までは考えられなかったほど、今回のMACWORLD Expo/San FranciscoではWindows系マシンの姿を会場のあちらこちらで見かける。なかでも、“Mac Friendly”なWindows NT 4.0ベースのワークステーションを大々的にアピールしていたのが「INTERGRAPH COMPUTER SYSTEM」だ。
このマシンは「Extreme Z 2D Graphics Workstation」と呼ばれるもので、内容的にはPentium II 300MHz(オプションでデュアルプロセッサーにできる)搭載のNTマシン。グラフィックカードはMillennium II AGP 2Dを採用し、メモリも標準で64MB、最大512MBまで搭載でき、HDDはもちろんUltra Wide SCSIという、なかなか本格的なもの。さらに、10BASE-T/100BASE-TXを標準搭載しており、これにMACLANというMacintosh互換のLANソフトを標準でインストールすることで、手持ちのMacintoshとネットワークしデータ互換や外部デバイスとの連携を図ろうというもの。
まあ、ここまでならある程度の知識があれば、カスタムメイドで作ることもできる(とはいってもMacintoshユーザーにはカスタムでマシンを作るという感覚はないが)。だが、このマシンはGraphics Workstationを名乗るだけあって、本格的なカラーマネージメントシステムを組み合わせることで、モニター表示までもMacintoshにあわせることができる点が凄いところ。ここまでやれば、“Mac Friendly”という登録商標もダテじゃない。
もちろん、PhotoshopやIllustrater、QuarkXPressといったプリプレス系のアプリケーションは、Macintosh版もWindows版もほぼ同じインターフェイスを実現しているので、OSがどちらでもさほど違和感なく利用できることを考えると、このようなシステムが登場してもおかしくはない。もっとも、“なぜこんなマシンが必要なの?”という素朴な疑問が残る人も多いと思うが、Macintoshをベースに高価なシステムをすでに構築した人や会社では、結構現実的な選択なのかもしれない。
●CD-ROMによるイメージライブラリーを展開する「Adobe Systems」
アメリカでは、CD-ROMによるビジュアル素材集の需要が日本では想像できないほど高い。また、Web上でのイメージライブラリーも展開されているわけだが、今回、Adobeは大手のフォトライブラリーと提携することで、独自のイメージライブラリーの展開を開始した。しかも、CD-ROMで供給されるデータは、単なるリストではなく、十分に商業印刷に耐えるデータ量(CMYKデータで1枚展開時42MBのJPEGで、300dpiでほぼA4版がカバーできる)の実画像であり、使用時のロイヤリティーもフリー(CD-ROMの価格に含まれている)というもの。もちろん、これ以外にも900KBと2MB、34MBのRGBデータも収録されている。
('98/1/9)
[Reported by 山田 久美夫]
写真とイラストがあり、タイトル数も多く、種類も実に豊富。似たコンテンツの100枚の画像が収録されたもので299ドル。しかも、19.99ドルのカタログ(印刷物)を購入すれば、ライブラリーすべての写真を一覧できるので、必要なCD-ROMだけを購入すればいい。また、必要に応じてWeb上で1枚だけを99ドルでダウンロードすることもできるなど、なかなか現実に即したものになっている。もっとも、一般ユーザーにはあまり関係のない世界ではあるが、デザインやプリプレス系のビジネスをしている人にとっては、なかなか魅力的なシステムといえる。
□MACWORLD Expo/San Franciscoホームページ
http://www.macworldexpo.com/mwsf98/index.html
□Macworld/Pro Conference情報ページ
http://www.macworldexpo.com/macworldpro/frame.html
□関連記事
【1/8】MACWORLD Expo/San Francisco現地レポート インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980107/macw_i.htm
【PC Watchホームページ】
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp