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コニカから108万画素のメガピクセルモデル「Q-M100」が正式発表された。今回はそのベータ版モデルを試用した印象をお届けしよう。
「これでいいんだよなあ~」というのが、本機のベータ版を手にしたときの第一印象だ。実際にイベントではなんどか手にしているが、やはり同じ会場で「オリンパス C-1400L」や「コダック DC210ズーム」などのメガピクセル機と比較すると、インパクトに欠ける感じがしたのだが、実際に使ってみると、まさに“カメラ感覚”で扱える、実に使いやすいモデルである点に好感が持てる。
なにしろ、一眼レフタイプの「C-1400L」のような特殊なモデルという感覚がなく気軽に扱える点がいいし、同じズーム付きでも「DC210」ほど割り切った仕様(パンフォーカスだし、レンズ部で指を挟むし、光学ファインダーの視野も狭い)ではなく、あくまでもカメラとしての基本がしっかりしている点がいい。
とくに、現時点のメガピクセル機としてはサイズが適度で(まだちょっと大きいとは思うが)、手にしたときのホールド感もよく、光学ファインダーが実に見やすくしっかりしている点がいい。そのため、とくにデジタルであることを意識したり、特別な知識がなくても、誰にでも気軽に使えるモデルに仕上がっている点を高く評価したい。
もっとも、デザインは個性的で好みが分かれるところ(なんだか“真面目なコニカが机上で考えた遊び心”といった感じ?で、個人的にはやや野暮ったい感じもする)だし、操作部も全体に小さめな点や、液晶の表示品質やレスポンスが悪いのが気になるが、長年カメラを作ってきたメーカーだけに、全体のまとまりはなかなかいい。
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画質面では、フィルム&カメラメーカーとしてのこだわりを感じさせる仕上がりで、80~110万画素クラスのモデルのなかでも、解像度は明らかにトップクラス。これは解像感の点で有利な補色系CCDを採用している点と、ズームより解像力の点で有利な単焦点レンズやコストのかかるオートフォーカス機能をきちんと採用した効用だと思われる。遠景はわずかに甘く感じられるが、中近景に関しては、これくらいの解像度があれば、十分にコンパクトカメラの代替として使えるレベルといえる。
色再現性の点では肌色がとても自然で美しく、フィルムメーカーらしいこだわりを感じさせるが、やはり補色系CCDのせいか、原色系モデルのような華やかさや鮮やかさはなく、落ち着いた色調だ。また、オートホワイトバランスはかなり的確で、蛍光灯下でも色が濁ることがない点には感心する。一方、明暗の再現性もやや狭めでハイライトが飛びやすい点が気になる。もっとも、今回試写したものはベータ版モデルのため、製品版ではさらに改良が加えられる可能性もある。
全体に地味な印象のモデルだが、実に堅実で実用的なカメラに仕上がっている。本機は実用本位ではあるが、基本がシッカリしているので、写真を趣味としているわけはない一般的なパソコンユーザーはもちろん、今後増えてゆくであろうコンパクトカメラの代替を考えているユーザーにとっては、なかなか堅実な選択肢となりそうだ。
また、先だって土木建築関係の記録写真に対して、デジタルカメラでの記録が条件付きながらも正式に許可されたこともあって、カラーネガフィルム全体の数%を占めるこの市場にも、本機はきちんと適応できる素質があるモデルだと感じた。この市場に強く、従来から「現場監督」と呼ばれる防滴防塵性に優れたモデルを発売しているコニカだけに、個人的には、デジタルカメラの大きな弱点である防水防塵性能を向上させた本機ベースの「デジタル 現場監督」の登場も期待したい。
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□参考記事
【11/6】コニカ、100万画素のデジタルカメラ「Q-M100」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971106/konica.htm
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digicame/dindex.htm
■注意■
('97/11/6)
[Reported by 山田 久美夫 ]