24日、今年で3回目となるコンピューターイベント「WORLD PC EXPO 97」が千葉・幕張メッセで開幕した。テーマは「デジタル社会を拓く実践パーソナル・コンピューティング」。会場は幕張メッセの全施設を利用、出展社数は578、総小間数は2,801と過去最大のものとなった。
●最大の目玉は独自仕様から世界標準に転換した新PC98シリーズ
今回のEXPOの最大の目玉は、なんといってもNECのブースに設置されたPC98-NXシリーズ。同社はこの日、今後発売していくパソコンの仕様を、長らく採用してきたPC-9800シリーズの独自仕様から、PC/AT互換機の延長である「PC97」および「PC98」規格に全面対応したものに切り替えていくことを正式に発表、PC98-NXシリーズはその第1段となる製品群。ブースには、AGPバス、IEEE1394インターフェース、USBインターフェース、ACPI、OnNowといった最新機能を搭載したPC98-NXシリーズの各モデルが陳列され、最新の98シリーズを一目見ようとする来場客であふれ、会場中でもっとも人を集めるブースとなっていた。
展示されたPC98-NXシリーズは、NetPC対応の「NetFine NX」、東芝Libretto対抗のA5サイズノート「mobio NX」、企業向けノート「VersaPro NX」、パーソナル用ノート「Lavie NX」、パーソナル用A4薄型ノート「Aile NX」、企業向けクライアントデスクトップ「Mate NX」、パーソナル用デスクトップ「VALUESTAR NX」、企業向けサーバー「MateServer NX」で、それぞれ誰もが自由に触れられるよう各1台ずつデモ機が用意されていた。
そのなかでも、「東芝Librettoに対抗するものとして作った」と説明する携帯優先のA5サイズノート「mobio NX」には関心が集中し、説明員は矢継ぎ早に浴びせられる質問の対応に追われていた。デザインはLibrettoによく似ているが、キーボードの手前側に一般的なノートパソコンと同じようにスティック型ポインティングデバイスがついている点が目新しい。スペックについては、「未定」としながらも、「Librettoと同等かまたはそれ以上と考えてもらっていい」という。残念ながら、このほかの機種についても、詳細なスペックは明らかにされず、全ては10月の正式な製品発表時に明らかにされる予定となっている。
また、NECはUSBデバイスにも力を入れており、ブースではUSB対応のジョイパッド、ジョイスティック、ハブ、CCDカメラ、キーボード、小型フルカラースキャナなどを展示していた。
●ブースの数は多いが、見どころは少ない
PC Watchでは、このあと数日にわけてデジタルカメラやソフトウェア、通信機器、周辺機器といったテーマのレポートをお伝えしていく予定だが、実のところ、今回のEXPOはこれといって注目すべきものがあまりなく、見どころは少ない。期待のショッピング専用のブースも、初日を見た限りではそれほど盛り上がりを見せておらず、やや肩透かし。
ここ最近発表された新製品をチェックするイベントとしては有効だが、試作機や最新の技術といった、このイベントでなければ見られないといった展示は意外と少ないため、それを期待するならばやや低調な印象を受けることになるかも知れない。
◎WORLD PC EXPO 97
開催期間 9月24日(水)~27日(土)
入場料 1,000円
□WORLD PC EXPO 97のホームページ
http://wpc97.nikkeibp.co.jp/
('97/9/24)
[Reported by fumitake@impress.co.jp]