この種のイベントではもはや恒例となった感のある各社のDVD関連製品の展示だが、今回のWindows World Expoで新たに出展されたものを含めても、まだまだDVD関連製品は「暗中模索」の域を出ていないという印象を受ける。
●低価格DVD-ROMドライブキットのソフトDVD再生機能は「オマケ」
【NOVACの製品】 | 【再生デモ】 |
この点に関して、担当者は「再生時の品質はこの程度です。添付のソフトDVDプレーヤーはオマケのようなものと考えてください」と説明する。つまり、同社はこの製品をパソコンでDVD-Videoタイトルの再生用という位置づけているのではなく、あくまでも今後発売されることが予想されているDVD-ROMタイトルの再生を想定しているのであって、DVD-Videoタイトルの再生はオマケなのだという(オプションで再生ボードも発売される)。
DVD-ROMタイトルとは4.7GBもの容量を持つ大容量CD-ROMとでも言うべきものだが、現時点ではまだ一般に入手できるは製品は出ていない。「Magical Actor」だけを購入した場合、現時点では品質の低いDVD-Videoタイトル再生キットとして利用するしかないというのが実情。この製品のコンセプトは現実から少しばかり先行し過ぎているとも言えるが、「ソフトが先かハードが先か」という難題からすれば、この製品の持つ意味の評価はこの先のDVD関連市場の状況によって左右されることになりそうだ。
●ドライブメーカーも期待はDVD-ROMタイトル
【日立のDVD-RAMドライブ】 | 【DVD-ROMタイトル】 |
やはり自社製DVD-ROMドライブを展示していたソニーでは、それと同時にTBS(東京放送)のテレビ番組「世界遺産」をベースとしたDVD-ROMタイトルを参考出展して紹介していた。高画質な動画データを大量に含み、インタラクティブに「世界遺産が楽しめる」という。DVD-ROMタイトルの具体的な紹介を行っていたのは、確認できた範囲ではここが唯一だ。
●ソフトウェアのみの再生でも高品質なZORAN「Soft DVD」
【ZORAN】 | 【SoftDVD】 |
製品名は「Soft DVD」で、Pentium II 266MHzのマシンによる再生で、見た目ではコマ落ちも発生せず、画質も良好で非常に高品質な再生を実現していた。再生しているDVD-Videoタイトルは映画「マスク」で、「ハリウッドのタイトルを使うことで、コピープロテクションの対応と、画質の良さなど高い再生能力をアピールしているのだ」という。DVD-Videoタイトルのインタラクティブ操作や、字幕言語り切り替えなどの操作に対応するナビゲーション機能も搭載され、ソフトウェアのみで完全にDVD-Videoタイトルの再生が可能という。
ZORANはOEM供給のみで、一般への販売は行わないが、国内のメーカーなどと採用にむけて話し合いを行っているという。なお、ノバックの「Magical Actor」に含まれるソフトDVDプレーヤーも、このZORAN(旧CompCore)のソフトウェアエンジンを利用しているが、ZORAN側によれば、「ノバックが採用しているのはここでデモしているSoftDVDとは別の製品で、再生品質や機能も異なるものだ」と説明していた。
●「発売未定」のDVD-ROMドライブキット
【クリエイティブ】 |
('97/6/26)
[Reported by fumitake@impress.co.jp]