実際のマシンを使ったデモンストレーションでは簡単な機能説明の後、Windows CEとデスクトップマシンを接続し、Microsoft Word文書を編集して受け渡したり、Windows CEに搭載されているPIMとMicrosoft OutLook間での自動データ交換などを行なった。
NECとカシオの製品紹介の後に行なわれた質疑応答では、先日発表されたモバイル用NCの共通規格「MNCRS」に参加していないのはなぜかという記者の質問に、「われわれは何の誘いも受けておらず、参加しないという返答を出したわけではない」と答えたが、さらに「NCの規格が発表されたときと同じで規格ばかりが先行しており、まだ検討する段階ではない」と、参加には否定的な回答をした。
Microsoftは来年にもWindows CE Version 2.0のリリースを予定しており、WebTV用のセットトップボックスなどにも搭載されることになる。画面のカラー化やブラウジング機能の強化、ActiveXやJavaなどもサポートされる予定だ。
●カシオブース
カシオのブースではずらりと並んだカシオペアに人だかりができており、デジタルカメラのQVシリーズとの接続やPHSによるデータ通信のほか、アプリケーションメーカーと共同でWindows CE用のソフトのデモを行なっていた。
カシオペアを実際に使ってみると、日本語版ということもあり全体的に動作が重い印象を受ける。付属のPocket WordやPocket Excelなどはそれが顕著にあらわれ、スクロールなどはかなりもたつく。日本語入力に関しては、MS-IME97も手書き入力も快適で、こちらは及第点を与えられる。
本体重量は電池込みで390gと軽いが、サイズ的には少し厚く、横幅もあるため胸ポケットに入れておくわけにはいかない。そういう意味では、9月発売のペンタイプ(写真右)のほうが携帯しやすいだろう。
NECブースのモバイルギアもやはり人気で、実際にメール操作などを体験できるセミナーなども行なっていた。ちなみにモバイルギアには従来のPDAタイプの製品と、今回のWindows CE搭載モデルがあり、さらに6月25日づけで発売になった製品はPDAタイプの機能強化版とややこしいことになっているが、ここではもちろんWindows CE搭載モデルを指している。
モバイルギアにはWindows CE標準のアプリケーションのほかに、PDA版モバイルギアで使用しているソフトウェアと同様の操作ができる「MGメール」や「MG FAX」などが付属しており、乗り換えも簡単にできる。
CPUに従来比1.5倍の処理速度をもつRISCプロセッサV4102を搭載しているため、動作はなかなか軽快だ。動作時間も乾電池で40時間、通信使用時も6時間と長く、重量も400gしかないので、移動運用時には威力を発揮するだろう。しかし内蔵モデムが14.4kbpsなのは残念だ。
Expoの会場にはカシオペアとモバイルギア以外にはWindows CE搭載の機器はなく、AMDのブースには以前から参考出品されているElanSC400を使ったベアモデルがあったが、動作していたのはやはり英語版だった。シャープのパワーザウルスはWindows CEではないものの、Microsoft WordとMicrosoft Excelの編集機能がついており、独自のPIMにWindows CEの利点を取り入れている製品だ。
□参考記事
【6/25】NEC、Windows CE搭載機を含む新「Mobile Gear」3モデルを発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970625/mgear.htm
【6/25】カシオ、Windows CE日本語版搭載ハンドヘルドPC「カシオペア」を7月10日発売
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970625/casio.htm
('97/6/25)
[Reported by kayama]