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Windows World Expo/Tokyo 97レポート

基調講演レポート:
ディレク・ティービー・ジャパン会長 ギャレス・チャン氏

「今年末に日本での衛星デジタル放送サービスを開始、
約100チャンネルを提供」

'97/6/25 開催

 25日17時より、米DIRECTV社の日本法人であるディレク・ティービー・ジャパン株式会社(以下、DTVJ)会長、ギャレス・チャン氏の基調講演が行なわれた。米DIRECTV社は、「DIRECTV」の名称で'94年から米国で衛星デジタル放送サービスを開始し、現在約250万世帯のユーザーに、200チャンネル以上の番組を提供している。

 講演では、まず米国での利用状況やサービスの概要について触れ、'96年から開始した「ギャラクシーラテンアメリカ」による中南米向けサービスに続き「日本でも、今年末までにサービスを開始する」方針であることを明らかにした。




●国内サービス開始時には約100チャンネル、半数を日本語で提供

 日本でのサービス開始にあたっては「市場調査会社を通し、日本で要求される番組についての調査を行なった」として、日本人の嗜好に合わせた番組を提供することをアピール。実際の国内サービス開始時には「約100チャンネルが利用できる」とし、「全番組の半分以上が日本語コンテンツとなる」という。会場内のプロジェクターを使った番組イメージのデモでは、映像の合間に「いよいよ日本へ」、「来るぞ!日本へ」などのテロップが挿入されるなど、日本市場への意気込みが感じられた。「現在は11ヶ国でサービスを提供しているが、今年末までには22ヶ国でのサービスを開始する。2000年までには、米国だけでも約1,000万人のユーザーを見込んでいる」という。




●松下のオンデマンドデータ付加技術対応の「インタラクTV」

 また、松下電器産業が独自に開発した、放送にオンデマンドでデータを付加する「DVX(Digital Video eXtention)」技術を利用した「インタラクTV」の内容も発表された。「インタラクTV」では通常の番組と同時に、画面上に表示されたボタンをリモコンからクリックすることで、さまざまな情報をリアルタイムで受信できる。特別なハードウェアなどを追加しなくても、通常の受信機でサービスを受けることができる。会場ではサッカー中継を例にとり、放映と同時に選手のフォーメーションや、ゴールした瞬間に、アシストやゴールを決めた選手名を表示するデモが行なわれた。




●パソコンによる衛星放送受信などが可能となる「ディレクPC」を紹介

 最後に、今後の展開として、パソコンによる衛星放送受信や、インターネットの高速ダウンロードが可能となる新サービス「ディレクPC」の概要も紹介された。パソコンによる映像受信は、マイクロソフトとの共同規格である「DSS PC」に準拠し、「PCのモニターでマイケル・ジョーダンの活躍を見ながら、同時にWWWサイトでジョーダンのデータを検索することができるようになる」とし、最大400kbpsでのデータ受信が可能となる「ターボ・インターネット」なども紹介された。サービスの開始時期は、米国では'97年末を予定「'98年中には日本にもサービスを拡大する」と語った。なお、「ディレクPC」を利用する際には、パソコン側に専用ボードとアンテナを接続する必要があるとしている。

 「ディレクPC」のデモでは、リモコンから画面上のリンクをクリックし、各番組のプレビュー画像を見たり、キーボードから、WWWの検索サービスのように文字入力で番組を検索するサービスが紹介されたほか、指定したホームページをHDDに自動的に保存し、ページの更新情報を表示する「ベスト・オブ・ザ・ウェブ」や、ソフトの高速ダウンロードサービスなど、さまざまなイメージ画像が放映された。

□株式会社ディレク・ティービーのホームページ
http://www.directv.co.jp/

('97/6/25)


[Reported by seino@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp