今年で6回目を迎える今回のExpoでは、最大の目玉はやはり同日に正式発表されたマイクロソフトのWindows CE日本語版だ。Windows CEは携帯用端末のH/PC(HandHeld PC)を手始めに、家電やWebTV用セットトップボックスなど、パソコンから離れたより広いジャンルでの応用を狙うOSで、同社の重要な戦略製品のひとつ。昨年末に英語版が発表されてから約半年がたち、ようやく日本語版の正式な発表がこのExpoで行なわれた。
マイクロソフトのWindows CE日本語版発表に合わせて、カシオ計算機(写真左)と日本電気(写真中)が日本語Windows CE搭載のH/PCを同時に発表。Expo会場でも多数のデモ機が一般公開され、来場者の注目を集めている。ほかにもサードパーティ製のWindows CE対応ソフトウェアのデモがあり、マイクロソフト自身がWindows CEのデモ用ブースを設けたり(写真右)、英語版ながら日立製作所が自社製H/PCを展示、AMDがWindows CE対応のプロセッサをデモするなど、会場ではもっとも目立った存在となった。
会場を見る限り、Windows CE日本語版はこのWindows Wold Expoで華々しいデビューを飾ることに成功したと言えるようだ。
このほか、SONYが再び国内パソコン市場へ参入したことで話題を呼んだ「VAIOシリーズ」(写真左)、シャープのカラーザウルス後継機「パワーザウルス」(写真右)、CPUを強化した東芝の「Libretto 60」など、発表されたばかりの新製品に注目が集まっている。
初日の午前中という条件では入場者も少なく、全体的に人影もまばらという印象だが、T-ZONE(写真)、コンプかずみ、TWO-TOPといったショップ系のブースには早くも人だかりができていた。これは限定のお買い得品らを目当てにしたものと思われ、2日目以降も「早いもの勝ち」といった状況が続きそうだ。
Windows関連の重要戦略という意味では、先日の米ニューヨークでのPC Expoで多数発表されたNetPCについても展示があってもよさそうなものだが、Windows World Expoではそれがほとんど見当たらない。UNISYS(写真)とIBMがNetPCを目立たぬところでデモしていた程度。各メーカーのNetPCへの取り組みや戦略という意味でも、ここではまるでそれが見えてこない。
また、海外では1,000ドルPCという低価格のパソコンが話題になっているが、会場では定価10万円を切る高木産業のCyrix MediaGX搭載「PURPOSE Internet PCシリーズ」が目に付くくらいで、とても会場全体でのキーワードにはなり得ていない。このあたりは、海外と国内の状況差が如実に現れているようだ。
このほか、マイクロソフトやインテルの基調講演などもあり、Exopでの注目のテーマつにいてはこのあとの続報で詳細にレポートしていくことにしよう。
('97/6/25)
[Reported by fumitake@impress.co.jp]