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【COMPUTEX TAIPEI '97 レポート】

COMPUTEX TAIPEI '97 2日目レポート

'97/6/3~7 開催
開催地:台北

●56kbpsモデムはK56flexが優勢


 x2とK56flexと、標準化を待たずに出荷が始まった56kbpsモデム。いまのところ日本ではプロバイダのアクセスポイントの対応からするとx2が優勢のようだが、COMPUTEXのモデムメーカー各社の展示を見てみると、圧倒的にK56flexが優勢だ。

 モデムメーカーのほとんどは56kモデムにK56flexを採用しており、Addonicsの「RCV566」、ACEEXの「DM-56V14」、ASKEYの「Dynalink V1456VQE」など20社近くが内蔵や外付けのモデムを出展している。製品は各社とも7月発売で、いずれも100ドルを予定しているという。56kbps対応のPCカードモデムは少ないものの、ActionTecの「DataLink」や、AusPro Technologicの「BrightCom」などの製品があり、さらにOEM用の製品でEthernetと56kbpsモデムのマルチファンクションPCカードもあった。

DM-56V14
【DM-56V14】
BrightCom
【BrightCom】
LAN&K56
【LAN&K56】


COMPRO FutureComm
【COMPRO FutureComm】
 CIS TECHNOLOGYのようにK56flexとx2の両製品を発売するメーカーもあった。面白いのはACS Innovation Internationalの「COMPRO FutureComm」というISAバス用のモデムカードで、NSPとMMXテクノロジーを利用して、IBMのMwaveのようにソフトウェアベースでサウンドとモデムの機能を提供する。モデム部分は現時点では33.6kbpsどまりだが、今年の第4四半期にはソフトウェアの書き換えによって56kモデムへのアップデートを行う予定。提供されるソフトウェアはK56flexとx2対応のものが両方用意され、どちらを使用するかユーザー側で選択することができるという。


Rockwell
【Rockwell】
Texas Instruments
【Texas Instruments】
 K56flexのチップを提供しているRocwellのブースでは56kbps接続のデモンストレーションを行なっていたが、やや地味な印象を受けた。一方のx2用のDSPチップを提供するTexas Instrumentsも、展示ブースで自社製のx2モデムを展示していたが、こちらもやはり地味な様子だった。


 モデム用のチップでは世界70%のシェアを握るRockwellがその強さを見せた格好だが、「x2よりもK56flexの方が安定した動作が得られる」といった背景もあると指摘する技術者が複数いた点は興味深い。Rockwellでは世界中の500を越えるK56flexサポートのプロバイダ一覧を配布していたが、日本での対応はいったいどう展開されるのかが、我々にとっては一番気がかりだ。





('97/6/5)

[Reported by kayama]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp