両社の合併計画解消を発表した株式会社セガ・エンタープライゼスと株式会社バンダイは、本日、'97年3月期の決算を発表した。また、バンダイの山科社長の辞意表明、東京証券取引所がバンダイに経緯調査の報告を求めるなど、合併計画解消の余震が続いている。
●プリクラ好調もサターンが不振のセガ
セガ・エンタープライゼスは28日'97年3月期決算を発表した。売上高は前期比4%増の3,599億円、経常利益が5.2%増の333億円と増収増益だった。「プリント倶楽部」のヒットなどで業務用機器部門が伸びたほか、娯楽施設部門も好調だった。
ただ、家庭用ゲーム機「サターン」が米国市場などでSCEのPlay Stationに押され販売不振となっており、'98年度3月期は在庫処分のため売り上げが大幅に減る見通し。全体の売上高は3,100億円、経常利益は300億円と減収減益を予想している。
なお、バンダイとの合併解消の来期予想への影響については「もともと業種が異なり、中期的な効果をねらった合併計画だったので影響はない」(中村俊一常務)としている。
●たまごっちの生産が間に合わず、ピピンも65億の赤字
バンダイも28日'97年度3月期決算を発表した。売上高は前期比6.4%減の986億円、経常利益が15.4%減の86億円と減収減益だった。「たまごっち」が爆発的なブームとなっているが、生産が追いつかず、販売個数は約150万個、売上額は35億円にとどまった。
'98年3月期は、たまごっちの国内販売個数を2,000万個、関連商品を含めて170億円の売り上げと見込んでいる。経常利益は76億円となる見込み。
同時に発表した連結決算は、米国でキャラクター商品が大量に売れ残ったことや、BDEの「ピピン@アットマーク」が65億円の赤字だったため、経常段階で18億円、当期でも79億円の赤字となった。'98年3月期は、計上で90億円の黒字、当期でも25億円の黒字に転換する見込み。
●山科社長辞意を表明。東証が調査報告要求
28日に行なわれたバンダイの決算を承認するための取締役会では、株主総会後の役員人事が議題からはずされていた。すでに辞意を明らかにしている山科社長が29日に臨時取締役会を召集したことから、この席上で公式に辞意を表明し、後任社長の人選なども検討されるとみられている。
なお、東京証券取引所は、28日、バンダイの役員を呼んで事情聴取し、合併解消までの経緯をどのように情報開示したか社内調査し報告するように求めた。
□株式会社セガ・エンタープライゼスのホームページ
(5月28日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.sega.co.jp/
□株式会社CSKのホームページ
http://www.csk.co.jp/index.html
□セガ、バンダイ合併中止に対するCSK大川会長コメント
http://www.csk.co.jp/NewPage/dt6000/dt6048.html
□株式会社バンダイのホームページ
(5月28日現在、この件に関する情報は掲載されていない)
http://www.bandai.co.jp/
□関連記事
【5/27】セガ・バンダイ合併解消、なお業務提携の道を探る
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/970527/bandai.htm
【1/23】セガとバンダイ、10月1日に合併することを発表、新社名は「セガバンダイ」
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/970123/segaband.htm
('97/5/28)
[Reported by date@impress.co.jp]