「ビジネスショウ '97TOKYO」の基調講演が13日の13時から東京ビッグサイトの国際会議場で行なわれた。
当初、基調講演は米Intel Corporationの上席副社長兼マイクロプロセッサプロダクツグループ・ジェネラルマネージャーのアルバート・ユー氏が行なう予定だったが、ユー氏が来日できなくなったため、急遽インテル株式会社の西岡郁夫社長が行なうことになった。理由はPentium ProおよびPentium IIのフラグ・エラッタ問題の対応および、個人的な理由とのこと。基調講演冒頭で西岡社長はフラグ・エラッタ問題に関して詳しく説明。「現在ハードメーカー、ソフトハウスに確認し、問題がないことを確認している。ただ、もし不明点があればインテルの電話サポートやホームページにアクセスして相談してほしい」とサポート体制も整っている点を強調した。
基調講演はまず最初に、パソコン市場の広がりをグラフを使って説明。続いて、プロセッサの開発が「ムーアの法則(インテルの創立者であるムーア博士の「半導体の集積率は18ヶ月で倍になる」)」どおり順調である点を強調。'99年には64bitアーキテクチャーIA-64を公表できるとした。ただし、IA-64を商品化後も32bitアーキテクチャーを並行開発することも明言。また、今年初めに発表されたMMXテクノロジについては順調に推移しているとし、'98年第1四半期末には市場に出回るすべてのPCがMMXテクノロジを搭載していると語った。
次に、Pentium ProやPentium IIで実現された技術、のSECパッケージやデュアル・インデペンデント・バス・アーキテクチャ、AGPを説明。これらの技術の採用により高度な3Dグラフィックをリアルタイムに描画できるとして、デモ映像を公開。デモで使用されたプロセッサは初公開のPentium II 400MHz。ワークステーション並みの3Dグラフィックスがグリグリ動く中でさらに実写ムービーが再生されるというかなり重い処理をスムースにレンダリングしていた。この他にも映画並の3Dムービーを再生しながら西岡社長は「グラフィックの再生能力は3年間で10倍になる。これまでインテルのプロセッサではアーケード・ゲームが動かないと言われてきたが、Pentium II以降ならばガンガン動く」と説明した。
このあと、いくつかのデモを行ないながら、NCに対するNetPCの優位性を強調した。なかでも面白かったのが、Sun MicrosystemsのJavaステーションとPentium II 266Mhz搭載のNetPCをならべてのベンチマーク・テスト。「プロセッサのパワーが違うので一概に比べることはできないが、3倍の性能が得られるはず」とし、ベンチマーク・ソフトのCaffeine Mark 2.5をスタート。結果はJavaステーションが121に対して、NetPCは約3倍速い348をはじき出した。この結果に対して西岡社長は「Pentiumは、Javaスクリプトの実行をも高速に行なうことができる」と説明した。
西岡社長は、これからのPCの方向性として、より視覚的、直感的な操作と、サーバからクライアントを管理するNetPC構想が重要とし、これをビジュアル・コネクテッド・コンピューティングと表現。この構想を実現するためにインテルはプロセッサ技術だけでなく、総合的な環境を整えていくと講演を締めくくった。
□インテル株式会社のホームページ
http://www.intel.co.jp/
□講演概要
http://www.intel.co.jp/jp/procs/biz/intelligence/news/business/bus.htm
□ビジネスショウ '97TOKYOのホームページ
http://www.noma-businessshow.or.jp/bs97/index.html
('97/5/13)
[Reported by funatsu@impress.co.jp]