●ビジネスショウとはどんなイベントか?
「ビジネスショウ '97TOKYO」1/3はパソコン、1/3はコピーなどのOA機器、残り1/3が文房具の展示だった。今回のショウでは、東京ビッグサイトの東館の6つのホールをすべて使用しているが、ほぼこの比率でフロアを占めている(OA機器とパソコンは「情報・通信関連ゾーン」に混在)。
そもそも、ビジネスショウの主役はビジネス機器であり、パソコンもビジネス機器の一環として扱われている。したがってWindows World ExpoやCOMDEX Japanなどのコンピュータオンリーのイベントとは、そもそものコンセプトが異なっており、ひと味違ったものとなっている。
●今回のテーマは何か
パソコン関連にしぼると、今回のショウのテーマは、「モバイルと通信」、「家庭用パソコン」、「DVD」、「デジタルカメラ」あたりだ。
モバイルはPHS キャリア3社が勢揃いしたうえ、各メーカーのブースでもPHS電話機やPIAFS対応カードなどの関連機器の展示が多い。また、携帯電話系もほぼ顔をそろえていた。カシオ、日立のWindows CE機の展示をはじめとしてPDAの展示も多く見られる。
家庭用パソコンは、12日に「ビジョン コネクト」を発表したばかりの東芝をはじめ、NEC、松下の各ブースでリビングルームを再現したセットで、DVD搭載の家庭用パソコンのデモが行なわれている。
そのDVDだが、日立、松下、パイオニアのブースでDVD-RAMドライブが展示されていた。松下では、年内には発売したいとし、日立では「見本」と刷り込んだカタログまで用意する力のいれっぷりだ。興味深かったのは松下で展示されていたDVD-RAMを媒体としたデジタルビデオディスクカメラで、価格、発売時期などは未定としていたもののまったく新しいジャンルを開く製品である。
デジタルカメラは、新製品の発表が予想されていたメーカーからの見送りも目立ったが、エプソンCP-500、京セラ DR-350などが初のお目見えとなった。いずれもさわれる展示機が用意されている。
●パソコン関連ブースの注目点
今回一番のお勧めは松下ブースだ。モバイル、DVDなどの各分野で試作機を展示しており興味深い。また、NECのPentium II搭載のExpress Workstation、日立のビジネス市場用のスリムノートと液晶付きデスクトップ、東芝のビジョン コネクトの展示なども見逃せない。ビジョン コネクトは、ボディの小ささやリモコンの使い勝手なども面白いし、ビデオ接続されている展示機もあるのでTVでの画質も確認できる。
予想外にPentium IIマシンの展示は少ない。各メーカーの展示機もクライアント=サーバーという大がかりなものではなく、スモールビジネスやSOHO向けが中心なのだが、これに加えて家庭用が大きく展示されているのが、このショウの性格をわかりにくくしている。
周辺機器では、アイ・オー・データ機器のノートパソコン用の周辺機器のキャンペーン、15、17、20インチの液晶ディスプレイの試作機を並べたシャープが目についた。また、液晶を利用して高解像度のパソコンの画面をスクリーンに投影するプロジェクターが各社から展示されている。
今回のビジネスショウは、全体に試作機や新製品の展示が少な目なうえに、本体メーカーでは日本IBM、富士通、アップル、周辺機器メーカーではメルコ、コダックなどが出展していないこともあり、やや、もの足りない印象を受けた。明日以降は、各ブースの注目商品についてより詳しく紹介する。
□ビジネスショウ '97TOKYOのホームページ
http://www.noma-businessshow.or.jp/bs97/index.html
('97/5/13)
[Reported by date@impress.co.jp]