【イベント】

【EDEX'97】

目玉は、13.3インチXGA TFTカラー液晶

EDEX'97 電子ディスプレイ展レポート

'97/4/16~18開催
開催地:横浜みなとみらい・パシフィコ横浜

 「EDEX'97 電子ディスプレイ展」(以下EDEX'97)が16~18日まで、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜で開催された。EDEX'97は液晶、プラズマをはじめとする電子ディスプレイ関係の専門展示会で、展示される製品も液晶パネルのように部品レベルのものであり、最終的な民生用の製品の展示はほとんどなかった。しかし、ほとんどすべての液晶メーカーが最新の製品や試作品を展示しており、今年後半以降の液晶関連製品の動向をうかがうためには有益な展示会であった。ここではパソコン用の液晶パネルを中心にとりあげる。

●ノート用13.3インチXGA TFTカラー液晶

LG電子565

 ノート用の中心である12.1インチと13.3インチのTFTカラー液晶パネルは、XGA(1,024×768ドット)表示のものが各社のブースで展示されていた。現在、この大きさではSVGA(800×600ドット)の製品が市場の中心だが、今年後半からは13.1インチを中心にXGAへの移行がはじまりそうだ。

 特に、LG電子のブースでは、現行機種のIBM ThinkPad 560にパネルを組み込んで、XGA表示させた試作機を展示しており、完成度の高さをうかがわせた。

●Windows CE用パネル

シャープWindows CE 京セラWindows CE

 新しいジャンルであるWindows CE対応のパネルも、モノクロ、カラーとも展示されていた。

 まず、シャープのブースでは、横長の5.7インチのモノクロSTNパネルが展示されていた。640×240ドット表示、消費電力は40mwと低く、10:1のコントラスト。43gと軽量。

 また、京セラのブースでは、カラーのSTNパネルの試作品が展示されていた。表示は、640×240ドットでブースではWindows 95がバックライト付きの鮮明な画面で表示されていた。消費電力はバックライトを含めて約1W、25:1のコントラスト、重量は150g。

●液晶ディスプレイ用パネル

SAMSUNG ホシデン

 次の液晶市場として注目されているデスクトップ用の液晶ディスプレイ用のパネルも多数展示されていた。この分野もTFT液晶が中心だが、ノート用と異なり、消費電力よりも表示性能に注力できるので、高輝度、高コントラスト化、高視野角化が進んでいる。

 たとえば、あるノート用のパネルの輝度は70カンデラ/平方メートル、同メーカーのデスクトップ用のパネルでは200カンデラ/平方メートルと高くなっている。そのかわり、ノート用の消費電力が5W前後なのに対し、デスクトップ用は10Wを越える。

 また、ノート用ほどスペースが重視されないため、「額縁」とよばれる表示部以外の部分が広くなり、奥行きも厚くなっている。

 ノートより一回り大きい13.3インチ、15.1インチで解像度はSVGA、XGAのものが中心だが、ホシデンのブースでは23インチSXGA(1,280×1,024ドット)という巨大なディスプレイも展示されていた。

●改良されたSTN液晶

 「スーパークリアカラー」(日立)などの名称で、改良されたSTN液晶パネルが数社から展示されていた。従来のものより、表示速度を早め動画表示を可能にし、コントラスト、輝度なども改善されたというものだ。実際に展示されているパネルを見た限りでは、全面的にTFTに代わりうるものではないが、「コスト的には差があるため企業向けなどを中心に採用が進むだろう」という。


●小さいサイズの液晶

ポリマーフィルムLCD 低温ポリシリコンTFT

 これ以外にも、薄くて曲げることも可能なリコーの「ポリマーフィルムLCD」、画質がよい三洋の「低温ポリシリコンTFT」など、見所が多い展示会であった。会場は落ち着いた雰囲気で好ましい。職務で来場している担当者が中心とみえ、説明員との真摯なやりとりが印象的だった。

□EDEX'97 電子ディスプレイ展のホームページ
http://www.jesa.or.jp/edex/index.html

('97/4/18)

[Reported by date@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp