'97/3/26 発表
標準価格:1,000個ロット |
米Digital Equipment(以下、DEC)のジョー・ラバル氏は26日、発表したばかりの低価格64Bitプロセッサ「Alpha21164PC」について都内で記者説明会を開き、製品概要と販売戦略を明らかにした。
DECの半導体事業部アジア太平洋地域担当マネージャーである同氏は、従来のAlphaチップの状況を「パフォーマンスは高いが価格も高く、購買層は企業などのサーバーやワークステーション用途といったハイエンド市場に限られていた」と説明。その上で、「Alpha21164PCでその唯一の弱点を克服した。Alphaチップ搭載のシステムが低価格になることで、よりボリュームのあるマーケットで販売していくことができる」、とビジネス用パソコンに向けたプロセッサという位置付けで販売していく方針を強調した。新たなマーケット層の開拓のために、ブランド認知度を高めるためのキャンペーンも積極的に行っていくという。
また、家庭用やビジネス用パソコン向けのプロセッサとして圧倒的なシェアを持つ米INTELへのライバル意識をむき出しにし、「同一価格帯のシステムではAlphaチップの方が1.5~2倍のパフォーマンスが得られる」とコストパフォーマンスの高さを、「INTELは出荷間近のプロセッサPentiumIIでも233や266MHzという動作クロックだが、Alphaはもうじき600MHzにも達する」と性能の高さをアピールした。
「Alpha21164PC」は動作クロックの違いで400MHz、466MHz、533MHzの3タイプがあり、Alphaチップとしては初めてMVI(Motion Video Instruction)と呼ぶマルチメディア処理用の命令系統が搭載されている。これにより、音声や動画データなどが高速処理され、MPEG2とAC3規格によるDVDの動画再生もスムーズに行えるという。「INTELの採用するMMXよりも高速」と同氏は説明する。「Alpha21164PC」の動作対象OSはWindows NTで、INTELプロセッサ用のアプリケーションについてもDigital FX!32という変換ソフトを利用することで利用が可能になる。
DECでは、Alpha21164PCの433MHzを搭載し、32MBメモリ、2.4GB HDD、8倍速CD-ROMドライブ、15インチモニタ、Windows NT、MS Officeといった構成のパソコンで2,600ドル程度になると予測する。量産出荷は1997年第3四半期。国内では、ビジュアルテクノロジー株式会社などが、このAlpha21164PCを搭載したパソコンの販売を予定している(価格や発売時期は未定)。
□米Digital Equipmentのホームページ
http://www.dec.com/
□ビジュアルテクノロジー株式会社のホームページ
http://www.iijnet.or.jp/vt/
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970319/cpu.htm
('97/3/26)
[Reported by fumitake@impress.co.jp]