後藤弘茂のWeekly海外ニュース
【ニュースサイトWatch】


●MemphisはWindows 98になる?

 米Microsoft社のWindows 95後継OS、コード名「Memphis」は、しばしば「Windows 97」と呼ばれてきた。しかし、もしかすると正式名は「Windows 98」になってしまうかも知れない。「Windows 98? Microsoft Slips Delivery Date Again」(COMPUTER RESELLER NEWS,3/21)など複数のニュースサイトの報道によると、MicrosoftがMemphisをプリインストールしたシステムを年内に出せると期待しないで欲しいとOEMメーカーに伝えたらしい。「Gates: NT update by mid-98」(CNET,3/19)によると、同じく96年中のはずだったWindows NT 5.0も来年前半になるとビル・ゲイツ氏自身が言ったそうだから、97年中は新しいWindowsはなしという可能性もありかも。えっ、Microsoftのスケジュール延期は毎度のことだから、こんなニュース、もう驚かないって? そりゃそうだ。


●Windows CEサブノートをNECが開発?

 Windowsと言えば、Windows CEがらみでまた面白いニュースが登場した。「NEC readies Windows CE subnotebook; Microsoft releases CE kit for OEMs」(InfoWorld,3/18)によると、NECがWindows CEベースのサブノートを開発しているそうだ。コード名は「Livingston」で、今のWindows CE搭載デバイスであるHPC(ハンドヘルドPC)より一回り大きいらしい。価格は1,000ドル以下、NEC製のMIPSアーキテクチャチップをCPUに採用、ハードディスクも搭載するとか。Windows CE 2.0になるとカラーもJavaもサポートされるというから、ビジネスツールになるわけだ。しかし、パソコンとの棲み分けは一体どうなる?


●NovellがSunのCTOをスカウト

 さて、インターネット路線に乗り遅れてから御難続きの米Novell社が、起死回生の常套手段「CEOのスカウト」を行った。その、スカウトした人物が米Sun Microsystems社のCTO(Chief Technology Officer)エリック・シュミット氏だったというので、かなり海の向こうでは大きな話題になっている。シュミット氏はJava立て役者の一人で時の人とあって、「Reaction To New Novell CEO」(TechWire,3/18)によるとNovellの株価は一気に13%もアップしたそうだ。でもまあ、なぜまた順風Sunから嵐の中Novellになんて乗りこんだんだ?


●JavaOneではお手軽Java開発ツールが登場

 さて、先週先々週のCeBITとInternet Worldを皮切りに、これからは春のショウ&カンファレンスシーズンとなる。メジャーなものをピックアップしただけでも、Javaの祭典「JavaOne」、Windows系ハードウェア技術者向けカンファレンス「WinHEC」、それから日本で開催される「オラクル・オープンワールド」と、これがまたにぎやか。

 まず注目は4月2日から開催されるJavaOneだ。昨年5月のJavaOneでは、JavaOSやJavaBEANS、Javaの各種クラスライブラリなどJava戦略の中核となるロードマップが示された。Sunグループ内でJavaを担当するJavaSoftは、このイベントで集中的にJava関連の発表を行うつもりらしい。今年の目玉は「Sun To Announce JavaStudio Tool Next Week」(TechWire,3/22)によると「JavaStudio」だという。これは、非プログラマ向けの開発環境でJavaBeansコンポーネントを組み合わせて簡単にJavaアプレットを含んだページを作成できるようにするらしい。プロ向けの「JavaWorkshop」とは異なるターゲットに向けたツールだそうだ。


●WinHECではデジタルTV向けのデータフォーマットを発表か?

 JavaOneに続くMicrosoftのWinHECに関しては、これまでも伝えてきたが、また興味深いニュースが出てきた。「PC makers rev specs as digital TV launch stalls」(Electronic Engineering Times,)によると、まだまだ難航している米国のデジタルTV放送に関して、Microsoftを始めとするPC陣営側が、PC向けのビデオとデータのスペックを提案するらしい。おそらく、これはMicrosoftが提唱し始めたBroadcast Architectureのデータフォーマットのことだと思われるが、それにしてもMicrosoftってどこまで戦線を広げる気なのだろう。


●15分でNCシステムをセットアップ

 NC (Network Computer)のハードウェアをセットして、サーバー側のマシンにNCサーバーソフトをインストール、Ethernetでつなげて、はいNCが立ち上がるまでたった15分! 「Ellison's 15-minute NC recipe」(CNET,3/19)によると、来月16日から東京ビッグサイトで開催される「オラクル・オープンワールド1997」で、同社の会長兼CEOのラリー・エリソン氏はこんなデモを計画しているらしい。日本オラクルは、以前からこのイベントでNCの日本語化の進展などを発表するとしていたが、ニュースによると、実際はそれよりもスケールの大きな、NCの本格的なランチの場とするつもりらしい。NCサーバー、200MHzのPentium Proプロセッサ版NC、230MHzのStrongARM版NCなどが、登場するとか。イベント一発でなく、あとからどんどん情報出てくれば、もっと盛り上がるんだけど、今度はどうなるか。


バックナンバー

('97/3/24)

[Reported by 後藤 弘茂]


【PC Watchホームページ】


ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp