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イチオシはGoLive CyberStudio!

MACWORLD Expo/Tokyo会場レポート:ソフトウェアレポート

 ソフトウェアでも、Adobeの新製品もなく、CD-ROMタイトル市場が低調とあって、いまひとつ盛り上がりに欠けた展示となっている。もっとも、パソコン業界でも新製品が多く出てくるのは年に2回のボーナス前、5月や11月がピーク。2月という時期のせいもあるが、新製品が少ないのは淋しい。

 そうした状況ではあるが、ひさびさのキラー・アプリケーションという予感を持たせる新製品「GoLive CyberStudio」をはじめとして、注目を浴びていたアプリケーションをいくつかレポートしたい。


●GoLive CyberStudio


 GoLive Systems社のGoLive CyberStudio(以下CyberStudio)は、アメリオ会長の基調講演でもデモが披露された。これまでの製品とは一線を画した機能を持つHTMLエディターだ。CyberStudioはMacintosh専用にデザインされており、AppleScript、CyberDog、QuickTime 2.5、QuickTime Media Layerなどのアップルの最新技術のほか、Java、Netscapeプラグイン、パントーンカラーなどの標準技術にも対応している。

 CyberStudioの最も大きな特徴は、強力で使いやすいデザイン機能だ。グリッドの採用により、ページレイアウトソフトのように、フレームを指定して、その中にテキストやイメージなどのオブジェクトをドラッグ&ドロップで配置することができる。もちろん、配置したあとのテキスト編集もできる。また、パントーン・カラーにも対応している。

 使い勝手も考えられている。HTMLエディターで初めて、QuickTimeやJavaの再生をサポートしているため、オーサリングの最中にHTMLエディターとブラウザを何度も切り替える必要はない。表組機能では、表の中に表を作ったり、表の中にムービーを埋め込むこともできる。表を作成するには、テーブルアイコンをドラッグ&ドロップするだけで良い。

 カラーのsyntaxチェックを持ったJavaScriptエディター内蔵であるのも、HTMLエディターでこの製品が初めてだ。WYSIWYGのレイアウトモードとHTMLソースコードのモードを持ち、いつでも簡単に切り替えが可能。しかも、CyberStudioのHTMLソースコードは非常にきれいにインデントされており、読みやすい。遠目で見るとCで書かれたソースコードのようだ。ほかにも、サイト・マネージメント機能など、これまでのHTMLにない機能を備えている。

 展示場所は、Apple Developer CentralブースのTechnology Showcaseのコーナー。マシン1台でこじんまりと展示しているが、ホームページを持っている人は必見のアプリケーションだ。対応機種はPower Macintoshとその互換機で、対応OSはSystem 7.5以降。米国では4月2日発売で、価格は299ドル。日本語の文字コードにも標準で対応している(シフトJIS、JIS、EUCなどコードも選べる)ので、日本語版も5月にはリリースする予定だ。遅れるとすれば、日本語マニュアル作成などのためだろう。現在、日本の代理店を決めているところなので、日本での価格は未定だ。英語版のパブリックβは2週間くらいでリリースするとのことで、3月7日前後にはGoLive Systems社のWebサイトで公開される見込みだ。英語版でも、日本語も問題なく使えるので、興味のある方は同社のWebサイトからダウンロードしてみよう。
http://www.golive.com/


●クラリスホームページ、クラリスメール


 3月発売予定のクラリスホームページ2.0は、標準価格は19,000円だが、'97年9月30日までは発売記念特別価格として9,900円で販売される。先に紹介したGoLive CyberStudioは、強力なレイアウト機能に加えて、AppleScriptやJavaをサポートするなど、プロフェッショナルなニーズに応えられるHTMLエディタだ。これに対して、クラリスホームページは1万円を切る価格で、簡単に操作できるワープロ感覚が売りの、個人のホームページ作成に向いたアプリケーション。CyberStudioはPower Macintosh用だが、クラリスホームページは68030以上のMacintoshおよびPower Macintosh全機種に対応している。対応OSは、漢字Talk 7.1以降。
 個人向けといっても、機能は豊富だ。イメージマップ作成機能をはじめ、QuickTimeムービーやShockwave対応、フレーム機能、フォームデザイン機能などを備える。フォームデザイン機能は、フォームパレットに並んだアイコンをクリックすればテキストフィールドやラジオボタン、チェックボックスなどの配置ができるというもの。編集、プレビュー、HTMLの3つのモードがあり、HTMLソースコードを直接編集することもできる。


 クラリスメールは7月発売を予定しており、価格は未定だが、クラリスホームページと同じくらいの価格になるだろうとのこと。インターネット用の電子メールソフトとしては初めてNIFTY-Serveをサポート。複数のメールアカウントサポートによって、NIFTY-Serveとインターネットのメールがひとつのソフトウェアで送受信できるのが売りだ。ほかに、メールの転送、自動返信、自動仕分けなどの自動メール処理機能、スケジュール設定などの機能を持つ。また、Eudrora Proのニックネームファイルをアドレスブックに取り込める。StaffItエンジンを使った、添付ファイル自動圧縮機能を備え、エンコーディングは、MIME、Base 64、BinHex、UUencode、EUC(受信のみ)のエンコードをサポートしている。
 対応機種は、68030以上のMacintoshおよびPower Macintosh。OSは漢字Talk 7.5.1以降をサポート、Open Transport J1-1.1以降がインストールされている必要がある。
http://www.claris.co.jp/


●Macinfish for Macintosh(MACWORLD Expo/Tokyo '97 会場限定版)


 Macユーザーにはお馴染みのシミュレーションソフト、AQUAZONEのExpo会場限定版オプションディスク。AQUAZONEの発売元、オープンブック9003株式会社のブースで1,000円で販売している。卵も生まれて、ちゃんと繁殖するとのこと。成長するとPower Macintoshになったりするのだろうか。それとも128K Macのまま巨大化するのか? 
 メディアは8cmCDなので、8cmCD対応のCD-ROMドライブかアダプタが必要だ。また、AQUAZONE version 1.5専用のオプションディスクなので、AQUAZONE 1.5がないと遊べない。
 なお、会場限定版とある通り、MACWORLD Expo/Tokyo '97会場以外では一切販売しない、通信販売もしないとのこと。
http://www.openbook9003.co.jp/expo/macworld_expo2.html


●ウォークラフトII~暗黒大陸


 PC/AT互換機ユーザーにはすでに懐かしいゲームになっているかもしれない。米国PC Gamer誌の1995年度ゲーム・オブ・ザ・イヤーなど数々の賞を受賞した大ヒット作のMac版が発売される。4月15日発売予定で、標準価格9,800円の予定。株式会社ソースのブースに出展されている。
 「ウォークラフトII」は、人類とオーク族が存亡をかけて戦うファンタジー世界を舞台にした戦略シミュレーションゲーム。人類とオーク族のどちらでも選んでプレイできる。
 すでに発売されているPC/AT互換機用の日本語版では、英語版の音声の雰囲気を日本語に非常にうまく反映している。グリフォンやドワーフの発明家など、さまざまなキャラクターを指揮できて、コマンドを出すとこれらのキャラクターが返事をする。この返事の調子が職業によってそれらしい演出がされていて楽しい。ハマって遊んだあとは、「オーラァイ」「わっかりましたご主人さまぁ」「出航ですかぁ~」などのちょっととぼけた声が頭に残ること請け合い。「シミュレーションとかRPGとかの面倒なゲームはきらい」というユーザーでもわりあい気軽に遊べるゲームだ。ネットワーク対戦にも対応している。
(連絡先:株式会社SSIトリスター Tel.03-3343-5630)


 記事中で紹介した、Expo会場限定販売の「Macinfish for Macintosh」を3名様にプレゼントいたします。なお、「Macinfish for Macintosh」はAQUAZONE Ver.1.5をお持ちでないと利用できません。また、もちろん、タイトルにあるようにMacintosh用です。
 ご応募は、以下のクイズの答えと、お名前、ご住所を、担当あてメールでお送りください。締め切りは、2月24日です。


【クイズ】

(1)左の写真は、Expo初日の20周年記念イベントで流されたビデオの一画面です。さて、このふたりは誰でしょう……ではなく、左の人の娘の名前をお答えください。

(2)初めて日本語化したMacintoshの名前をお答えください。

('97/2/21)

[Reported by hiroe@impress.co.jp]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp