アップルコンピュータ株式会社は18日、アメリオ会長の記者会見を開催し、同時に新製品「Apple QuickTake 200」および「Macintosh PowerBook 3400」シリーズ2機種を発表した。
記者会見でアメリオ会長は、'97年度第一四半期決算について、今後のOS戦略とNeXTの買収、18日発表の新製品などについて述べた。第一四半期決算および今後のOS戦略に関しては、これまでに発表されているのとほぼ同じ内容で、とくに目新しい話はなかった。しかし、第一四半期の赤字の原因とされるPerformaシリーズの不振の原因として「最新というわけではなかった仕様」や「コストパフォーマンス」を挙げるなど、非常に率直で現実的な分析には相変わらず好感が持てる。今後の経営戦略としては、すでに手をつけている組織再編成により年間コストを4億ドル削減し、需要の高い製品や競争力のある製品に力を注いでいくとして、従来より的を絞った製品開発をしていく考えを明らかにした。また、質疑応答において、PowerBookのライセンスを他社に供与する考えは当面ないことを明らかにすると同時に、アップルがハードウェア製造から撤退するという噂についてはきっぱり否定した。
OS戦略に関しては、同社CTOのエレン・ハンコック氏からも説明があったが、時間が短いこともあり、すでに「エレン・ハンコックからユーザーの皆様への手紙」としてアップルのWebサーバーで公開されている内容から踏み込んだ話は聞かれなかった。また日本法人の社長、志賀氏も国内の状況に関してコメントし、日本法人についてはリストラは行われないこと、今後の製品では、夏までにはすべての製品で200MHz以上のCPUを採用すること、'97年末には533MHzのマシンを投入する予定であることなどを明らかにした。
アメリオ氏は、「わたしの使命はアップルを再建することだけではない。アップルを再建し、アップルがこれまでそうであったように、技術的なリーディングカンパニーとして、業界をリードしていくことだ」、「そうしたアップルの新しい技術や新製品をいちどに見ていただけるMacworld Expoに、みなさんぜひ足をお運びください」として会見を締めくくった。
希望小売価格は79,800円で、4月中旬より販売開始する。DS-8をベースに富士写真フィルムと共同開発した製品で、基本仕様はDS-8とほぼ同じだが、Macintoshで利用しやすいような仕様変更が施されている。DS-8とのおもな相違点は、以下の通り。
PowerBook1400シリーズの上位に位置づけられる新製品、3400シリーズは、PowerPC 603e 200MHzを搭載した「3400c/200」と、603e 240MHzを搭載した「3400c/240」の2機種がラインアップされている。価格はどちらもオープンプライスで、「3400c/200」は4月下旬より、「3400c/240」は5月以降に販売開始される。「3400c/200」と「3400c/240」は、CPUのクロックとHDDの容量が「3400/200」が2GB、「3400/240」が3GBと違う以外はすべて同じ仕様となっている。ちなみに240MHzのほうはパソコンで最高の動作クロック周波数となる。
アップルでは、1400シリーズが一般ユーザー向けであるのに対して、3400シリーズはハイエンドやビジネス市場でのデスクトップ代替え機などの用途向けとして位置づけている。そのため、スペックは可能な限り充実させたという感があり、高速プロセッサ採用のほか、12.1インチのTFT液晶の採用、PowerBookシリーズで初のPCIバスアーキテクチャの採用、12倍速CD-ROMドライブの採用、2GBまたは3GBのHDD内蔵、ステレオ4スピーカシステム搭載など、シリーズ最上位機種にふさわしい仕様となっている。また、メモリはMacintoshとしては初めてEDOメモリを採用した。OSはMac OS 7.6が搭載される。
【3400シリーズの主な仕様】
製品名 | PowerBook 3400c/200 | PowerBook 3400c/240 |
---|---|---|
CPU | PowerPC 603e 200MHz | PowerPC 604e 240MHz |
HDD | 2GB | 3GB |
メモリ | 16MB(最大144MB、メモリスロット1基) | |
グラフィックコントローラ | Chips and Technologies社 CT65550 | |
VRAM容量 | 1MB | |
液晶 | 12.1インチTFT(バックライト付き) | |
拡張メディアベイ | 1基、付属のFDDやCD-ROMドライブなどを装着 | |
PCカードスロット | Type2×2またはType3×1、ZVポート対応 | |
内蔵モデム | データ33.6kbps/FAX 14.4kbps | |
赤外線通信 | 230kbps IRTalkおよび1Mbps IrDA対応 | |
バッテリ | リチウムイオンバッテリ(連続稼働2~4時間) | |
サイズ(W×D×H) | 293×239.5×65.6mm | |
重量 | 3.2kg(FDD装着時)、3.3kg(CD-ROM装着時) |
□アップルコンピュータ(株)ホームページ
http://www.apple.co.jp/
□「Apple QuickTake 200」のニュースリリース
http://www.apple.co.jp/product/970218qt200.html
□富士写真フイルム「DS-8」の仕様表
http://www.fujifilm.co.jp/ds8/siyou.html
□「Macintosh PowerBook 3400シリーズ」のニュースリリース
http://www.apple.co.jp/product/970218pb3400.html
('97/2/18)
[Reported by hiroe@impress.co.jp]