日本電気株式会社(以下NEC)は13日、液晶ディスプレイ搭載タイプとしては世界最小のデジタルカメラ「Picona(ピコナ)」を発表した。出荷時期は3月14日。標準価格は単体モデルが69,800円、Windows用インターフェースキットがセットになったWindowsキットモデルが79,800円となっている。
Piconaの筐体は、タバコの箱よりふたまわりほど大きい程度で(幅28×奥74×高102mm)、手の中にちょうど収まるサイズ。重量も185gと軽い。撮影時の操作スタイルは一般的なカメラとは違い、デジタルムービーのソニー DCR-PC7やビクター DV1のように縦型に持って撮影を行うタイプとなっている。ファインダーとなる液晶ディスプレイは側面のカバーを開けることで使用可能で、シャッターボタンは親指で本体後ろから押し込む方式。約35万画素のCCDを採用し、撮影データの記録解像度は640×480ドット。データ形式はJPEGのほかにBMPの選択もできる。記憶媒体はコンパクトフラッシュカードに対応し、標準添付の2MB容量のカードでJPEG標準モードで約35枚、JPEGエコノミーモードで約75枚が記録できる。モードの違いはデータ圧縮率の違いによる画質で、記録解像度に変化はない。
Picnoaの特徴はコンパクトな筐体のほか、デジタルカメラとしては初めて単三型アルカリ乾電池2本でのバッテリー駆動が可能な点、WWWブラウザで画像の一覧表示が行えるように自動的にHTMLファイルを生成する機能、A4用紙や名刺を画面一杯にとるマクロモード、撮影間隔4分の1から10秒まで設定可能な6枚連続撮影機能(記録解像度は320×240になる)などがある。バッテリは単三型2本のほか、4本でも使用可能で、それぞれ30分、2時間30分間の駆動が可能という。
NECでは、デジタルカメラの市場を120万台規模としたうえで、このPiconaで10%のシェアを獲得したいとしている。また、このPiconaを普及型デジタルカメラとしてシリーズ化する考えで、将来的にはUSBポートに対応したモデルの開発も検討中という。
なお、Piconaの撮影データのサンプルについては、別ページを用意したので参考にして欲しい。
フラッシュと電池4本使用時 |
記録媒体 | コンパクトフラッシュカード |
記録方式 | 圧縮(JPEG)、非圧縮(BMP) |
記録枚数 | JPEG標準モード時約35枚、JPEGエコノミーモード時約75枚(ともに2Mバイトカード使用時) |
液晶モニタ | 1.8インチファインダ兼用LCD |
レンズ | 固定焦点、焦点距離4.9mm(35mmフイルム換算で35mm相当)、F3.8 |
絞り | 固定 |
マクロ撮影 | A4サイズ/名刺サイズの2段階 |
撮像素子 | 1/3インチ正方画素全画素読み出し方式CCD(約35万画素) |
解像度 | 640×480ドット |
露出制御方式 | コンピュータ制御AE |
測光方式 | TTL中央重点測光 |
露出補正 | ±2EV 1EVステップ |
シャッター | 電子シャッター |
シャッタースピード | 1/7~1/10,000秒 |
セルフタイマー | 約10秒 |
連写機能 | 6枚連写 |
連写間隔 | 1/4~10秒 |
カレンダー | 内蔵(作成日付として、画像ファイルに付与) |
インターフェイス | RS-232C |
温湿度条件 | 動作時 5℃~38℃、20~80% |
電源 | 単3アルカリ乾電池2本または4本、充電式ニッケル水素電池(別売)、ACアダプタ(別売、ただしWindowsキットモデルには標準添付) |
外形寸法、重量 | 28(W)×74(D)×102(H)mm(最大突起部除く)、約185g(電池を除く) |
添付品 | コンパクトフラッシュカード(2MB)、ソフトケース、ストラップ、単3アルカリ乾電池2本、大容量バッテリーケース、ユーザーズマニュアル、保証書、お客様登録申込書、NECサービス網一覧 |
WindowsキットモデルにはWindows用インターフェイスキット、ACアダプタも標準添付 |
□日本電気株式会社のホームページ
http://www.nec.co.jp/
□製品情報
http://www.nec.co.jp/japanese/product/personal/product/input/pi_01.html
('97/2/13)
[Reported by fumitake@impress.co.jp]