○	評価できるサービスや機能など

• 非同期/同期PPP変換による64/128Kbps同期通信をサポート
• 128Kbps接続はMP（Multilink PPP）に対応
• 屋内配線逆転時にスイッチ1つで反転可能（電源を入れ直す必要もない）
• ダイヤルインをサポートし、グローバル着信識別も搭載
• 内線通話/転送が可能
• 疑似コールウェイティング時の保留音送出が可能（編集もできる）
• アナログポートの優先着信が指定できる
• フラッシュROMを搭載し、ファームウェアのアップグレードが可能
• 電話機から各種設定が可能
• 縦横どちらでも設置できる（意外にコンパクト）

• S/T点端子がない（利用条件がかなり限られてしまう）
• アナログ回りの機能が少ない（フレックスホンはコールウェイティングのみ）
• アナログポートが極性反転をサポートしていない
• Windows95の設定ファイルの項目が1つしかない（通信モードはユーティリティで切替）
• Macintosh用設定ツールが提供されていない

ひとこと

　ユニデンはPHSやデジタルコードレス電話、ファクスなどを製造・販売するメーカーで、電話関連製品については日本だけでなく、アメリカでも高い支持を得ている。UTA128DSUはユニデンの電話に関するノウハウを活かしたターミナルアダプタというわけだ。
　今回のランキングではDSU内蔵ターミナルアダプタの内、S/T点端子を持たないものはすべて除外するつもりだったが、UTA128DSUは疑似コールウェイティング時の保留音送出機能というユニークな機能を搭載しているため、敢えてランキングに加えた。
　コールウェイティングはアナログ回線のキャッチホンに相当するINSネットのサービスだが、NTTとの契約なしに利用できる疑似コールウェイティングは保留時に無音になってしまうという弱点を持っている。UTA128DSUはターミナルアダプタ内部で保留音を作り、相手に流すことができる機能を搭載している。しかも設定ユーティリティ内で保留音を自由に作成できるため、オリジナリティ溢れる保留音を作り出すこともできるのだ。同社のホームページでは、この保留音に関連する裏技なども紹介している。
　ただ、やはりS/T点端子がないことは致命的と言わざるを得ない。アナログ回りの機能がやや少ないが、S/T点端子がなくては他のターミナルアダプタなどで代用することもできない。つまり、1DKのマンションに1人住まいで、アナログ機器は電話機とモデム(あるいはFAX)しか使わないといったかなり限られた条件のユーザーにしかお勧めできない。
　また、Windows95用設定ファイルの扱い方も気になった。一般的に、ターミナルアダプタの設定ファイルは、同期通信用、非同期通信用、MP接続用といった複数のモードが記述されている。しかし、UTA128DSUの設定ファイルにはモードが1つしかなく、同期通信、非同期通信、MP接続を切り替えるときは、毎回、付属のユーティリティを起動して変更しなければならない。これはあまりにも面倒だ。早急に、一般的な設定ファイルに修正すべきだろう。
　利用条件は限られるが、デジタルポートのパフォーマンスも高く、疑似コールウェイティング時の保留音送出機能を備えるなど、なかなか期待できる製品であることは確かだ。