- 非同期/同期PPP変換による64/128Kbps同期通信をサポート
- アナログポートだけでなく、デジタルポートも2つ装備(2台のパソコンから利用可能)
- 128Kbps接続はMP(Multilink PPP)に対応
- 帯域制御を実現(Ver.2.00以降)
- 圧縮付きPPP(CCP)に対応(Ver.2.00以降)
- V.110、V.120、X.75など、豊富なプロトコルに対応
- 着信時に、各プロトコルを自動判別
- 同期通信モードのパフォーマンスはトップレベル
- ダイヤルインをサポートし、グローバル着信識別も搭載
- リモートアクセスに便利なコールバックをサポート(パスワードによるセキュリティ機能付き)
- フラッシュROMを搭載し、ファームウェアのアップグレードが可能(現在はVer.2.00)
- 豊富なLEDで回線状態が把握しやすい
- プロトコルアナライザーで通信状態が記録できる
- Windows95のPlug&Play対応
- アナログ回りの機能が貧弱(ファームウェアのバージョンアップで少しずつ増えていますが……)
- その存在すら気づかないこともあるフロントパネルスイッチ(エンブレムの右隣にあります)
- INSネットの用語に則しておらず、難解なマニュアル(ほぼ全社共通)
- 設定が複雑で、使いこなせない各機能(マニュアルの責任)
- 英語版のままの設定ユーティリティ(メッセージ回りだけでも日本語化しませんかねぇ)
- Macintosh用設定ツールが提供されていない
- 長時間運用をしていると無反応になったり、熱くなることがある(電源を入れ直せば復帰しますが)
- V.110非同期通信モードで通信速度ごとに、設定を登録する必要がある(Windows95環境)
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台湾のZyXELがアメリカ、ヨーロッパ、日本、台湾、韓国向けに販売している製品。日本国内では上記3社が代理店となっているが、市場ではエミックスエンジニアリングとダイナラブジャパンの製品が圧倒的に多い。全世界向けに販売しているだけに、対応プロトコルの豊富さは他のターミナルアダプタを圧倒する。
Ver2.00のファームウェアでは、帯域制御、圧縮付きPPPなどの機能も実装され、ますます高機能なターミナルアダプタへと進化した。デジタルポートのパフォーマンスもトップレベルで、まったく申し分ない。また、デジタルポートを2つ備えているため、デスクトップ機とノートパソコンを併用するような環境には便利だ。
ただ、日本向けに特別にローカライズされたわけではなく、世界向け仕様の中に日本向けの機能を盛り込んでいるため、INSネット独自の機能のサポートが不十分な点が気になる。また、海外向け仕様を日本語マニュアルにも反映しているためか、あまり見かけない単語や機能が多く、初心者にはわかりにくい。代理店各社も努力しているようだが、国産ターミナルアダプタに比べると、まだまだ不十分と言わざるを得ない。
また、ファームウェアの提供が非常に不可解だ。物欲道修行記 第19講「掘出し物を見逃すな」の記事内で、ZyXEL Austriaのページから最新版ファームウェアが入手できることを紹介したが、何故か国内代理店はどこもVer1.01以降のファームウェアを配布していない。動作確認が取れないとか、他の代理店扱いのユーザーをサポートしたくないなどの理由があるのかもしれないが、あまりにも片手落ちだ。海外で日本向けのファームウェアが公開されているのだから、何らかのアナウンスをすべきだろう。
しかし、コストパフォーマンスは高く、デジタルポート回りの高機能さは他のターミナルアダプタよりも優れている。問題は高機能さや各プロトコルをどのように使いこなせるかだ。ISDNの可能性を追求したいマニアや複数のパソコンから利用したいユーザーに適したターミナルアダプタと言えるだろう。
余談になるが、ソフトウェアジャパン扱いのTsu-Na-Gu TA1 ZyXELは、エミックスエンジニアリングが有償でサポートを引き継ぐことになった。詳しくはこちらを参照していただきたい。
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