昨年、64 de INT(ロクヨンでインターネット)で好評を得た日成電機製作所の新製品で、販売は富士通パーソナルズが担当している。従来モデルも128Kbps同期通信に対応したが、こちらはDSUを内蔵することにより、さらにコストパフォーマンスを高めている。
筐体はDSU内蔵により、2倍程度にまで大きくなったが、屋内配線逆転の検出及び反転、他のISDN機器を接続するためのS/T点端子を備えるなど、DSU内蔵ターミナルアダプタの勘どころは心得ている。アナログ回りの機能もフレックスホンへのフル対応やINSボイスワープへの対応など、不満に感じるところはない。使い勝手、パフォーマンスなどは十分なものを持っており、AtermIT55DSUと並んで完成度の高い製品と言えるだろう。
敢えて気になる点を言えば、Macintosh環境への対応、停電時の対処、64/128Kbps接続時の判別などがあげられるが、致命的な問題ではない。むしろ、これぞ128 de INTDと感じさせる個性がない点が気に掛かる。扱いやすく、素直な製品だけに残念だ。
ファームウェアはまだ出荷版と同じものしか公開されていないが、前述のように、従来モデルのファームウェアのバージョンアップが継続されている点を見れば、この製品も長く使うことができそうだ。今後、BACPなどの新しいプロトコルが登場した段階で何らかのアナウンスがあるだろう。ISDN入門用としてはもちろん、すでに他のターミナルアダプタはあるが、MP/128Kbps対応製品が欲しい人、DSU内蔵ターミナルアダプタが欲しい人などにお勧めだ。買って損のない1台と言えるだろう。