【業界動向】
今後は、ソフトウェア開発事業に集中
米Be社、ハードウェア事業より撤退
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【BeBox】
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米Be社はハードウェア事業より撤退することを発表した。現在、同社のホームページでは、同社のデベロッパーに宛てた手紙の形で、今後のハードウェア戦略を公開している。その内容を要約して、ハードから撤退する理由をまとめると以下の様になる。
- 元々BeOSは、デジタルコンテンツデザイン向きの価値あるプラットフォームを目指していたため、マルチプロセッサマシンのような高機能型のハードウェアを対象としている。しかし近年は、Apple社をはじめ、Power Computing社やDayStar社などから、マルチプロセッサの PowerMacなどが誕生したことにより、自前のハード以外にも、もっと多くのメーカーのハード上で、BeOSを走らせる事ができるようになった。
- Beのような従業員50人ほどの会社にとって、現在のPowerMac市場でハードウェア技術を追求し続けるのは、実際ほとんど不可能なくらい困難なことであり、例えば先月サンフランシスコで開催されたMacworld Expoにおいても、ほとんどすべての開発者と将来のBeユーザーの関心事は、PowerMac用のBeOSであった。もし、Beが200MHz 604eを4つ搭載したようなBeBoxを今四半期に5,000ドル程度で出したとしたら、もちろん勝者となり得ただろうが、そうした製品を出す為には、開発と生産、とりわけ少量の生産には、多くの資金と時間がかかる。
- 我々と開発者にとって、大多数の顧客であるデジタルコンテンツデザイナーたちは、PowerMacとMac OS上で稼動するアプリケーションを使っている。BeOSをPowerMacに提供すれば、彼らは現在のハードウェア上で、より機能的で安定した高性能なOSを、既存のMac OSアプリケーションと共に使う事ができる。
- もし我々がハードを作り続けながら、他のハードウェアベンダーにBeOSのバンドルをライセンスしたとすると、潜在的に我々の利害と不一致を起こす可能性がある。これは、他メーカーのハード上で稼動するOSと自前のハードウェアの両方を売るすべての会社が直面する問題であり、我々はもっともシンプルな方法、つまりハードウェアから撤退する事で、それを解消するわけだ。
また、現在のBeBoxユーザーにはどう影響するのか?に付いては、こうした戦略の変更は、ユーザーにとって不便をもたらすものである事を認めながら、すべてのBeBoxについて最後の保証期間が終わった後も、できるだけ長くスペアパーツを確保することと、今後1年の間にリリースされるBeOSは、BeBoxをサポートし、その後も最大限の努力をすることを約束している。
結局Beも、先日Appleに買収されたNeXT同様、ハードとソフトの総合メーカーからOS専業へと転換する訳だが、既に多くのメーカーがひしめく昨今のMacintosh互換機市場においては、Beの会社規模などを考えると、妥当な戦略であると見ることができる。今後も、OSの供給先なども含めて注目したい。
□米Be社のホームページ
http://www.be.com/
□デベロッパーに宛てた手紙「Be's Hardware Plans」(英文)
http://www.be.com/developers/hardwareplans.html
('97/1/31)
[Reported by sasaki-m@impress.co.jp/t-masuda@city.fujisawa.kanagawa.jp]
ウォッチ編集部内PC Watch担当
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