【マーケット】

店頭価格で1,500円以上の値上げも

DRAM市況の急上昇で秋葉原のメモリ製品の店頭価格も上昇中

'97 1/29調査


 SIMMなどメモリ製品の価格が秋葉原の店頭で急上昇している。海外でのDRAMチップの市況が一転して上昇したことが原因で、店頭価格にもそのまま影響が現れた格好だ。

 24日のSIMM価格調査の記事でも触れたように、海外のDRAMチップ市況が先週末から突然急上昇。国内の取引にも直接影響が出たことで、商品の回転の早い秋葉原の専門店でははやくも店頭価格に変化が起きはじめている。SIMM価格を例にとると、24日の時点で32MBを13,000円前後で販売していたショップが翌日からは14,500円とするなど、最大で32MBで1,500円もの値上げが行われたケースもある。ショップによっては逆に価格を下げているところもあるが、プライスリーダーとして定評のあるショップでは軒並み上昇しており、「いずれ各店追従する形になるだろう」というのが関係者の一致した見方だ。

 半導体業界の仕入部門や営業部門担当者の話によると、今回のDRAM市況の価格上昇は韓国メーカーの動きが大きく影響しているという。そもそもDRAMチップは現在世界的にも韓国メーカーのシェアが大きく、市況動向への影響力も非常に大きい。ここ半年以上続いたDRAM市況の急激な下落も、韓国メーカーのDRAM増産一辺倒による供給過多によるところが大きいと言われているほど。今回の急変は、原価割れを懸念した韓国政府筋が韓国メーカーに指導を行い、各社が減産体制に入ったうえ、在庫を一部凍結したことが発端になったという。16M DRAMで一時は5ドル台まで落ちていたDRAM市況価格は、現在では8ドル付近に上昇しているといい、一部では10ドル台での取引があったという話さえ出ている。

 こうした上昇傾向を「一時的なものだ」と見る向きもあるが、そのまましばらく上昇するだろうという見方が大勢だ。「SIMMの店頭価格も32MBは2万円台に戻りそう」と話すショップもあり、一般消費者が購入する単体のメモリ製品のほかにも、パソコンメーカーの製造するノートやデスクトップパソコンの製造原価にも大きく響いてきそうだ。

【72ピンSIMM実売価格(60ns)】(単位:円)
店名/TEL 16MB FastPage 16MB EDO 32MB FastPage 32MB EDO
価格前回比 価格前回比 価格前回比 価格前回比
神和電機
03-3253-9010
6,950 +200 6,950 +200 13,800 +800 13,800 +800
キョードー半導体店
03-3257-0414
7,200 +450 7,200 +450 14,500 +1,500 14,500 +1,500
M&M
03-3257-0424
7,200 +400 7,200 +400 14,500 +1,400 14,500 +1,400
コンピュータボックス
03-5295-0263
6,780 -570 6,680 -670 13,300 -1,000 13,300 -1,250
コムサテライト1号店
03-3257-9431
7,200 0 7,200 0 14,500 -1,000 14,800 -1,000


 この価格は、PC Watch編集部が、1月29日午前に各ショップの店頭での表示価格を独自に調査したものです。この価格で販売されることを保証するものではありません。実際の販売価格は変動いたしますので、購入時に各ショップの店頭にてご確認ください。各ショップの場所等については、各ショップにお尋ねください。
 編集部では、個別のメールや電話でのお問い合わせにはお答えいたしかねます。

('97/1/29)

[Reported by fumitake@impress.co.jp / suzuki-k@impress.co.jp]


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