【本体】

603e、604eの最速チップを採用、メモリ80MBを標準搭載

アキア、Mac OS搭載デスクトップ機「MicroBook Power」2モデルを発表

604e/225 603e/240
'97/1/27 記者会見開催

本体標準価格(カッコ内は、XGA対応スーパーTFT液晶とのセット価格):
写真左:MicroBook Power 604e/225 498,000円(738,000円)
写真右:MicroBook Power 603e/240 348,000円(588,000円)

連絡先:アキア(株) 0120-373-863


 アキア株式会社は1月27日、同社初のMac OS搭載機「MicroBook Power」シリーズ2モデルを発表した。本体の標準価格はPowerPC 604e 225MHzを搭載した「MicroBook Power 604e/225」が498,000円、603e 240MHzを搭載した「MicroBook Power 603e/240」が348,000円。アキアでは、両機種とも13.3インチのスーパーTFTを採用した液晶モニタ「RST13X」をバンドルしたセット販売も行なう。液晶モニタとのセット価格は「604e/225」が738,000円、「603e/240」が588,000円。出荷開始は2月10日ごろを予定している。
 販売方法はダイレクトマーケティングが中心となるが、秋葉原のLAOX THE MAC館など、これまでアキアと取引のあるショップでの販売も行なう。LAOX THE MAC館では、1月中には実機を展示する予定。
 アキアでは、Mac互換機を、ノートの「Tornado」、デスクトップの「MicroBook」と並ぶ3本柱のひとつとして位置づけている。同社の'97年の予算ベースでは、それぞれ3分の1ずつくらいの売上を想定しているが、Macの売上が半分以上を占める可能性もあると見ている、という。

●メモリは標準で80MB、VRAMも4MBを標準搭載、1年間のオンサイトサポート
 2モデルはいずれも現在市場に出ているPowerPCチップで最高クロックのチップを採用、メモリも標準で80MBを搭載している。また、グラフィックボードには米#9社のImagine 128を採用、VRAMは4MBを搭載している。プリインストールされるMac OSのバージョンは、漢字Talk 7.5.5。「603e/240」はコンパクトでスマートな筐体を採用しており、ほかのMac互換機には見られないデザインだ。
 詳しい仕様は下表に挙げるが、PC/AT互換機で成功したのと同様に、パワーユーザーが買ってそのまま使えるようなスペックになっている。また、「MicroBook Power」シリーズは1年間のオンサイトサポートを保証。それ以後も、希望があればサポート契約のできるオプションが用意されている。

●Mac OSはIBMからのサブライセンス、PowerPCもIBMより供給を受ける
飯塚社長
 アキアの飯塚克美社長は、「アキアでは会社設立当初から、Macintosh互換機を作ることを考えていた」と述べ、アキアにとっては、Mac互換機発売は急な話ではないことを明らかにした。しかし、アキアは会社設立('95年9月)から間もないこともあり、Apple社との交渉は難航したようだ。IBMがMac OSのライセンスを受け、そのIBMからサブライセンスを受けることで、アキアのMac互換機発売が実現したという。なお、IBMからMac OSのサブライセンスを受けるのは、海外も含めてアキアが初のケースとなる。

●今後も最速のチップを搭載したマシンを四半期に一度は発表する

 アキアは、今後四半期ごとには最新CPUを搭載した新製品を発表していきたいとしている。
 アキアでは、CPUの供給はIBMから受ける契約になっており、IBMから新しいPowerPCチップの初回出荷を受けられることになっているという(ほかのMac互換機メーカーのPower Computing社や、UMAX社などはIBM、Motorola両社からCPUを購入している)。ちなみに今回発表された2モデルに内蔵されたHDDもIBM製を採用している。アキアでは、こうしたIBMとの協力体制により、他社の互換機より早く最新CPUを搭載したMac互換機を発売していくことを狙っている。

●Mac OS搭載ノートは、Appleからのライセンスしだい

 アキアというと、'95年の9月の会社設立から2ヶ月後に発売したノートパソコン「Tornado」シリーズのイメージが強いだけに、質疑応答ではノートの発売に関する複数の質問が出た。これに対し、飯塚社長は「Appleからライセンスが下りなければやれないのだが、アキアとしては、年内にはぜひとも発売したいと思っており、Appleとも引き続き交渉している」と述べ、Appleからのライセンスが下りたら、4ヶ月くらいで製品を出したい考えを明らかにした。ちなみにMac互換ノート機を発売するライセンスはPower Computing社、UMAX社とも持っていないという。発表会のあと本誌で飯塚社長に確認したところ、IBMもMac OS搭載ノート機を自社ブランドで発売するライセンスは持っていないそうだ(本誌が得ている情報では、IBMの開発しているMac OS搭載サブノート機、通称“ThinkMac”は、OEMという形で、Appleブランドでの発売になるようだ)。
 飯塚社長は、「ノート機では、intel製チップではMMX対応Pentium 166MHzが最高で、デスクトップとの差が開いてきている。その点、RISCチップでもあり、PowerPCは将来が非常に有望である」とPowerPCチップ採用ノート機のアドバンテージを述べた。また、「Wintel陣営ではできないようなサブノート機を作りたい」という、Macintoshファンにアピールする発言もあり、Macビジネスに意欲を見せた。

【MicroBook Powerシリーズの主な仕様】

MicroBook Power 604e/225 MicroBook Power 603e/240
CPU PowerPC 604e 225MHz PowerPC 603e 240MHz
メモリ(最大) 80MB EDO DRAM
オンボード16MB+32MB×2
DIMMスロット×8
(1.04GB)
80MB EDO DRAM
オンボード16MB+32MB×2
DIMMスロット×2
(144MB)
二次キャッシュ 512KB 256KB
HDD 4GB SCSI 2GB E-IDE
FDD、CD-ROM 3.5インチFDD、8倍速CD(SCSI)
グラフィックボード Imagine 128(VRAM 4MB)
SCSI 内部Fast SCSI(10MB/秒)
外部SCSI(5MB/秒)
外部SCSI(5MB/秒)
拡張バス PCIスロット×6 PCIスロット×2
インターフェイス シリアルポート×2(LocalTalkおよびGeoPort互換)
ADBポート×2
Ethernetインターフェイス(10BASE-T RJ45、AAUI)
シリアルポート×2(LocalTalkおよびGeoPort互換)
ADBポート×1
サウンド 16bit ステレオ(44.1KHz) 16bit SRSサラウンド
ネットワーク LocalTalk、Ethernet LocalTalk
サイズ
(W×D×H)
178×445×438mm 101×406×349mm
重量 約13kg 約7kg
OS 漢字Talk 7.5.5
主な付属品 日本語ADB拡張キーボード、ADBマウス

□アキア(株)ホームページ
http://www.akia.com/

□製品情報
http://www.akia.com/mac/amac.htm

('97/1/27)

[Reported by hiroe@impress.co.jp]


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