米Apple社は15日(現地時間)、'97年度第1四半期(10~12月)の決算を発表、同社は再び赤字に転落、1億2,000万ドルの純損益を計上したことを明らかにした。総売上は21億3千万ドルで、前年同期比32%減となっている。同社はこの損益の原因として、おもに米国の赤字が大きく、米国ではクリスマスシーズンのコンシューマー市場でのPerfomaシリーズの売上が低迷したことなどを挙げている。
同社ではこの結果を受けて3月から新たなリストラ計画をスタートするが、収益構造が実際に改善されるのは当初の計画より半年遅れ、'97年第4四半期からとなる見通しを明らかにした。この発表を受けて株価は下がっており、米経済紙などでは17ドル台を割る可能性もあると報道している。
同社リリースの中で、経理担当副社長フレッド・アンダーソンは「Performaの売上結果とそれによる損益には非常にがっかりした」としながらも、現金の決算では18億ドルが黒字計上されたこと、ハイエンドのPowerMacintoshおよびPowerBookでは需要が高いことなどの好材料があることを述べた。また、同社はNeXT社の買収により次世代OSの青写真が出来たこと、1997年にはポータブル製品、高速なデスクトップ製品など魅力的な製品を用意していることなど、第一四半期は赤字に転落したものの、今後の見通しは明るいことを強調している。
今回の米国市場のPerformaの売上低迷による赤字計上で、米国でのコンシューマ市場のAppleのシェア低下が明らかになった中、ジョブズの復帰およびNeXT社買収で従来ユーザーをひきつけたAppleが、次世代OS「Rhapsody」を発表するまでをどのように切り抜けるかが注目される。
□ニュースリリース(英文)
http://product.info.apple.com/pr/press.releases/1997/q2/970115.pr.rel.q197earning.html
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【1/13】後藤弘茂のWeekly海外ニュース「ラプソディインMacで勝負に出るApple」
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/970113/kaigai01.htm
('97/1/16)
[Reported by hiroe@impress.co.jp / 勤苦今愚(KingKong) ]