○	評価できるサービスや機能など

• 非同期/同期PPP変換による64/128Kbps同期通信をサポート
• 128Kbps接続はMP（Multilink PPP）に対応
• DTE速度は230.4Kbpsまで対応（自動追従は115.2Kbpsまで）
• 液晶パネルを装備（通信速度、DTE速度、発信者電話番号などを表示可能）
• ダイヤルインをサポートし、グローバル着信識別も搭載
• フレックスホンはコールウェイティング（疑似を含む）をサポート
• 内線通話/転送をサポート
• リモートアクセスに便利なオートコールバック機能搭載
• 着信した通信のプロトコルを自動判別
• 設定ユーティリティを添付（初期モデルユーザーにも配布）
• アナログポートに接続した電話機からも設定可能
• 電源部内蔵で配線もスッキリ
• フラッシュROMを搭載し、ファームウェアのアップグレードが可能（現在はVer.2.30）
• 終端抵抗を内蔵しているため、DSUを購入するだけで簡易工事が可能

• 液晶パネルが奥まったところにあり、見づらい（バックライトが欲しい）
• DTE速度の自動追従が115.2Kbpsまで（230.4Kbpsにするにはディップスイッチの変更が必要）
• 128Kbps同期通信での接続時のパフォーマンスが悪い（64Kbpsは大丈夫なんだけど……）
• 疑似コールウェイティングで保留音がならない（最初は切れたと思われる）
• 初期モデルではアナログポートに若干ノイズが乗ったケースあり（最新版ファームウェアで対応済）

ひとこと

　サン電子と言えば、現在、国内のモデム市場でトップシェアを争う老舗メーカーだ。TS128GA2は液晶パネルを装備した個性派TAで、他のTAにないカッコ良さと存在感がセールスポイント。新しい機能にチャレンジした姿勢は高く評価できる。
　ただ、残念ながら、反射型液晶パネルを採用したため、視認性はあまり良くない。また、DTE速度は230.4Kbpsまで対応していながら、自動追従は115.2Kbpsまでとなっている点も困る。ディップスイッチでDTE速度を230.4Kbpsに設定してしまうと、それ以外のモードでは使えなくなるからだ。しかも128Kbps同期通信のパフォーマンスも今ひとつ。64Kbps同期通信で十分なパフォーマンスが出ているだけに残念だ。アナログポート回りは、電話機からの設定を可能にするなどの気配りを見せているが、初期出荷版に設定ユーティリティが添付されないなど、チグハグな面も見られた。ちなみに、最新版ファームウェアや設定ユーティリティは同社のWWWページからダウンロードできる。
　128Kbps同期通信については今後の改善が望まれるが、インターネットへの64Kbps同期通信モードでの接続、電話機やFAXの利用などに限れば、特に大きな問題はない。他人とは違うちょっと個性的なTAを求めている人にお勧めできる製品だ。