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発表された製品はSonicVibes、ViRGE/DX、ViRGE/GX 、Plato/PX

　グラフィックアクセラレーターチップなどのメーカーとして知られている米S3は3日、PCIバス接続のサウンドチップ「SonicVibes」など新製品を国内で発表した。発表は同社の幹部やプロダクトマネージャーらが出席し、東京・青山のジャズライブハウス「Blue Note Tokyo」を会場にして行われた。

　新製品は、PCIバス接続のサウンドチップ「SonicVibes」、システムコントローラとグラフィックシステムを1チップに統合した「Plato/PX」、新しいグラフィックアクセラレータチップの「ViRGE/GX」、「ViRGE/DX」の4種類。同社では、特に「SonicVibes」と「Plato/PX」について、多くの機能を搭載していながら1チップ化されていることを強調。具体的に「500ドル以下のシステム」、「ネットワークコンピュータ」、「NetPC」などのキーワードを交えながら、これらの製品を採用することで低価格PCを製造することができる、と強くアピールした。

●サウンドチップ「SonicVibes」

　「業界初」の PCIバス接続用に設計されたサウンドチップ。米Creative Labs.のサウンドカードSound Blaster Proと互換性があり、1チップの中にPCM音源とFM音源のほか、WaveTable音源も内蔵していることで、MIDIデータなど高品質の音楽データも再生できる。また、WaveTable音源が利用する楽器などの音色データをパソコン本体側のシステムメモリに配置できるため、従来のようにパソコン本体とは別に音色データを収録したROMなど、専用メモリを用意する必要がないという特徴を持つ。このため、高機能なサウンド機能を実現する場合でも、部品点数を少なくすることができ、製造コストが大幅にさげられるという。

　12月よりサンプル出荷を開始し、量産出荷は来年第1四半期の予定。価格は1万チップ出荷時で1チップあたり30ドル。

　パソコンの基本システムをつかさどるシステムコントローラと、同社のグラフィックアクセラレータチップTrio64シリーズのアーキテクチャを1チップに統合した製品。両方の機能を1つに統合することで、パソコンのマザーボードなどで必要な部品が大幅に少なくなり、製造コストが下がるほか、マザーボードの省スペース化も実現できるという。また、SMAと呼ばれるメモリ共有アーキテクチャを採用しているため、CPUで利用するメモリとグラフィックアクセラレーターチップで利用するメモリをマザーボード上の1つの物理メモリで共有することができる。対応するCPUアーキテクチャはPentiumクラスのINTEL、AMD、Cyrix製CPU。

　すでにサンプル出荷を開始しており、量産出荷は来年第2四半期を予定。1万チップ出荷時で1チップ当たり30ドル。

　同社の主力製品である3D対応グラフィックアクセラレータチップViRGEシリーズの新製品。内部で大量のデータを高速処理する並列処理技術や、より高品質な映像を実現するスマートフィルター技術などを採用することで、従来より高速なパフォーマンスを発揮するという。ViRGE/DXはビデオメモリにEDO-RAMをサポート、ViRGE/GXはEDO-RAM、SG-RAM、SD-RAMをサポートする。

　両チップともサンプル出荷を開始しており、量産出荷は来年第1四半期を予定。1万チップ出荷時でViRGE/DXが1チップ当たり28ドル、ViRGE/GXが同29ドル。

□米S3のホームページ
http://www.s3.com/

('96/12/04)

[Reported by 石橋 文健]