【イベント】

COMDEX Fall'96 レポート

ようやく実機が登場しはじめたUSBデバイス

'96/11/20 取材

 【第三日目】

USB USB USB
USB USB USB

 米Intel主催のUSB Implementer Forumは「Bus Stop」という粋なタイトルをつけ(実際に本物のバスが置いてある!)、USB関連機器メーカーを集めてUSB専門ブースを用意していた。

 そこに展示されていたものは、いままでのようなモックアップではなく、各社が用意した実際に動作する製品レベルに近いものばかり。これまでは「ポートだけはあってもつなぐデバイスがなかったUSB」という状態だったが、このブースを見る限りは、製品レベルの市場への投入ももう間近に迫っているかのようだ。

 Intelは、自社の小型メモリのミニチュアカードを記憶メディアにしたKonica製デジタルカメラを使い、来場者を撮影して、フラッシュカードをアタッチできるUSB接続のキーボードから、実際にPCに画像を取り込んで見せるデモを行っていた。また、マウス、キーボード、ジョイスティック、スピーカー(サブウーファーつき)をすべてUSBでつなぎ、モニターコントロールまでできるというフルUSBのシステムも展示されていた。そのほかにも、ICチップメーカーのWinbondのモニターコントローラーICと、それを使ってコントロール可能な4ポートHUBつきモニター、CMD TechnologyのPCIバス用2ポートUSBカード、Lucent Technologiesの4ポートHUB BOX、Altec LansingとPhillipsのスピーカー、そして変わり種では、MITELの電話機など、USBデバイスが多数が展示されていた。CanonのUSB対応BJプリンタも動いており、従来のパラレルよりもUSBを使ったほうが10%ほど速度が向上し、プリンタの印字速度のほぼ限界値でのデータ転送が可能だ、とのことだった。

 このブース以外でも、NANAOやMAG、HYUNDAI、LG ElectronicsなどのHUBつきモニターや、KEY TRONIC、ALPS、SEJINなどのUSB対応キーボード、AcerのフルUSBデバイスセットのPCなど、今回のCOMDEXではUSB実装の機器を多く見ることができた。また、AMIやOPTiなど、BIOS、チップメーカーもUSB対応のデモを行っていた。ただ、筆者が個人的に一番望んでいるUSB対応のデジタルカメラについては、とうとう見つけることはできなかった。

 なお、これらのUSBデバイスは、どのメーカーから話を聞いても、価格は未定としながらも、早ければ1997年の第1四半期には市場投入を行うという話だ。これが本当ならば、我々がデバイス製品を購入できるようになるのもそう遠くのことでもなさそう。ただ、Windows 95側でのUSBデバイスドライバのサポートが未だ十分でないなど、まだまだ普及には越えなければならないハードルが残っていることも忘れてはならない事実だ。

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('96/11/22)

[Reported by Reported by 右高 千尋]


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