【第三日目】
COMDEXの会場の一つにSANDSがある。ここは巨大でフラットなフロアが2つ重なり、そこに小規模なブースがたくさん入っている。日本でいえば、幕張メッセの全フロアをぶち抜いて、さらに横幅を増やして二つ重ねたところに、ビジネスショウの台湾ブースのような小さい小間を無数に並べたような感じである。天井が低いのと、通路をまたぐブースが多く見通しが悪いので、簡単に自分の位置がわからなくなってしまう。
今日は、ここで拾ったネタを紹介する。
●56kbpsモデムは実物の展示なし
事前の予想では、Rockwell社の技術を用いた56kbpsモデムが多数展示されるだろうということだったのだが、実際はまったく実物を見ることができなかった。正確にいえば、Rockwell社のブースでは、Webのブラウジングで、従来の28.8kbpsモデムと56kbpsモデムとの比較がデモされていたのだが、実物は展示されていない。確かに56kbpsの方が速かったが、これでは実力を評価することはできない。
どうやら直前で間に合わなかったらしく、特異なデザインで知られるLOGICODE社のブースも、巨大な看板を掲げていながら、実物がない。この看板の商品はどこにあるかのと聞くと、「いや、まだない、来年の1月になるとできてくる」という答えだった。
他のいくつかのモデムメーカーも同様の状態で、どうやら56kbpsモデムの実物を目にするのは、来年までおあずけになったしまったようだ。
●OEMメーカーは、USBが当たり前
この会場は、台湾、香港、ドイツなどの各メーカーブースが集められており、とくに台湾メーカーのブースでは、秋葉原でお目にかかる本体ケースやキーボード、マウスなどが多数展示されており、なつかしさを感じてしまう。しかし、同じ商品が複数のブースに展示されている。OEMなのか、開発元と代理店でそれぞれ出展しているのかもしれないが、本当のメーカーがどこなのか分からないことが多かった。
マウス、キーボードなどは、どのブースでもUSB対応の商品が並べられている。最初はいちいち写真を撮っていたのだが、あまりに多いので途中で撮るのをやめてしまった。
一斉にUSBへ走り出している理由としては、「システムメーカーがUSBへ走っているために、それに対応しなければならない」、「USB用のチップが安くなり、マウスやジョイスティックにも採用できるようになった」ということだった。他会場の展示も含め、来年はUSB対応製品がぞくぞく登場することはまちがいない。
●ビデオ会議システム花盛り
ビデオ会議システムは、あちこちで展示されている。たぶんこの会場だけで20以上あっただろう。もちろんすべてがビデオカメラ対応で、パラレルポートに接続するQuickCamタイプのものと、ビデオ信号+キャプチャーカードのものとがある。QuickCamタイプのビデオカメラも4種類以上見かけた。
ビデオ会議の媒体はモデムを使うもの、インターネット対応のもの、LAN(イントラネット)対応のものがあった。
●540MBのリムーバブルHDD
NOMAI(www.nomai.com)のブースで540MBのリムーバブルHDDが展示されていた。SyQuestの270MBカートリッジと互換性があり読み書きできる。インターフェイスはSCSI-2とパラレルポートが用意されている。「Zipより3倍速くて、5倍容量がある」が売り文句。価格などは確認できなかった。
●ACアダプタ不要の8倍速CD-ROMドライブ
PCMCIAスロットから電源を取るため、ACアダプタが不要なCNF社(www.cnfinc.com)のノート用外付けCD-ROMドライブは、「Super ASCII」誌上で元麻布春男氏が紹介したこともある優れモノだが、なんと8倍速のドライブが新発売されていた。
今回の取材でもACアダプタ類の多さに辟易していただけに、かなり興味をひかれた商品だ。オプションでインターフェイス兼サウンドボードも用意されているが、さすがにこちらはシリアルからも電源を取っている。
('96/11/20)
[Reported by date@impress.co.jp]