【第二日目】
●MicrosoftとLotusが相次いでOffice製品を正式発表
COMDEXでは各社のオフィススィーツ戦争もひとつの柱になっている。
米Microsoft社はCOMDEX初日の夜、「Office 97」のランチイベントを開催、Office 97の詳細をデモンストレーションするとともに、1月の発売に向けて製造体制に入ったことを正式に発表した。ゲイツ氏は、これまでのOffice製品の歩みを振り返り、最初は単なるバリュー製品だったのが、アプリケーションの統合やユーザーインターフェイスの統一へと向かい、そして今度はネットワーク時代のコラボレーションプラットフォームに進化することを宣言した。また、ゲイツ氏は、Office 97ではこれまでのようなスタンダードとプロフェッショナルのパッケージだけでなく、スモールオフィス用と開発者用のパッケージも用意することを明らかにした。
一方、米Lotus社も同社のスィーツ製品「SmartSuite 97」をCOMDEXに合わせて正式に発表。ブースでも展示を行った。しかし、同社の展示はDominoサーバーを中心に据えた構成で、SmartSuite 97の展示の規模は小さく、それほど強く推進している印象は受けない。
オフィススィーツ3極のうちの1社に新たになった加Corel社も、OfficeをCOMDEXに出展している。だが、同社も重点は従来からの主力製品であるグラフィックスやDTP系アプリケーションに置いており、展示の前面に押し出されてはいない。むしろ、同社の場合は開発中のOfficeのJava版「Corel Office for Java」に人だかりができていた。Corel Office for Javaは、現在Web上でα版が公開されている。ブースでも、実際にユーザーが試すことができるようになっていた。
各社の展示を見渡すと、全体的にOffice製品では、Microsoftが押しまくっている印象がある。現在米国市場ではMicrosoftのOfficeが80%以上を握るといわれている。今回の展示や発表への力の入れ具合の違いも、そうしたシェアの違いを反映しているものと思われる。
('96/11/21)
[Reported by 後藤 弘茂]