米Microsoftは、既存のPC/AT互換アーキテクチャを元にしたネットワークコンピュータ仕様「NetPC」を米Intelと共同で発表した。
「NetPC」はOracleのネットワークコンピュータ同様、専用サーバーを擁するネットワーク環境が前提となっており、起動もネットワークなどから行う。
基本構造は、PC/AT互換機であり従来のWindows用ソフトが動作する。ただし、フロッピーディスクやCD-ROMドライブなどはオプション扱いとなっており、内蔵されるハードディスクもネットワークのキャッシュとして用いられる。
「SIPC」がスタンドアロン環境でのエンターテイメント分野を重視したスペックを要求しているのに対し、「NetPC」ではサーバーがあるネットワーク環境が必須であり、CPUなどのスペックは押さえめであるが、イーサーネットなどのネットワーク機能が必須とされている。
Microsoftでは、同時に発表したネットワーク経由の環境管理技術「Zero Administration initiative for Windows」と「NetPC」を併用することにより、コンピュータの導入や管理のコストを引き下げることができるとしている。また、既にCompaq Computer、Dell Computer、Digital Equipment、Gateway 2000、Hewlett Packard、Packard Bell NEC、Texas Instrumentsなどが「NetPC」のサポートを表明しているという。
「Zero Administration initiative for Windows」は「NetPC」や既存のWindows 95/NTマシンで使用可能な新技術で、複数のユーザー環境の構築や更新をネットワーク経由で集中管理を可能とする。この技術により、インターネットなどを通じてシステムを自動的にアップデートすることが可能という。また、従来個々のコンピュータにのみ保存されていた、環境情報やユーザーのファイルはサーバにも保存されるため、ユーザーが別のマシンを使用するときも、ソフトが自動でインストールされるなど、自分の環境で作業ができるとされている。このような管理機能はネットワークを通じ、管理者によってユーザー単位などで制御される。
なおMicrosoftでは、「Zero Administration initiative for Windows」をWindows 95やWindows NTの今後のバージョンで順次実装するとしており、既存のアプリケーションでも利用可能になるという。
【NetPCに要求される主な仕様】
□米Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/
□ニュースリリース
・NetPC
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1996/Oct96/NETPCpr.htm
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/netpc28.htm
・Zero Administration Initiative for Windows
http://www.microsoft.com/corpinfo/press/1996/Oct96/ZAWinpr.htm
□NetPCとZero Administration Initiativeに関する概要
http://microsoft.saltmine.com/windows/strategy/zerowp.htm
('96/10/29)
[Reported by suzuki-k@impress.co.jp]