【周辺】
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'96年11月15日 発売 標準価格:88,000円
連絡先:ソニー株式会社 |
話題の人気機種「ソニー・サイバーショット」が本日25日に発売された。本来は発売前にメーカーから借りてベータ版レポートをお送りする予定だったが、メーカーからの貸しだしが来週になり、発売に間に合わないことになった。しかし、これほどの人気機種だけに、いち早くその実力をお知らせしたい!という衝動が抑え切れず、自分で購入し、レポートをすることにした。
しかし、まだ、転送ソフトが発売されておらず、通常の方法では画像を転送することができない。そのため、やむを得ず、IrDA転送ができる同時発売の昇華型プリンター(DPP-M55)を購入。プリンター経由でパソコンに画像を転送するという緊急手段での画像評価となった。そのため、転送キットでの結果とは多少画質が異なる可能性もあるが、基本的な性能はこの組み合わせでも変わらないと判断し、今回のレポートをお届けしよう。
もっとも、本日夕刻に購入したばかりなので、屋外での撮影はできなかった。しかし、インプレスのデジタルカメラスタジオでテスト撮影した結果を、取りあえず画像をアップすることにした。撮影光源は、ブルーフラットランプなので、基本的には日中光と同じ条件といえる。もちろん、カメラぶれを防ぐために三脚を使用している。また、画質の比較のために、いつもの「フジ・DS-7」と同時に撮影しているので、その実力がわかると思う。
なお、操作感や日中での写りなどは、もう少し使い込んで数日うちに別途レポートするので、そちらを参考にしていただきたい。
サイバーショットの特徴として、きわめて美しい液晶表示がある。しかも、液晶モニターでの拡大機能を使ってみていると、解像度は結構高そうに見える。そのため、メモ用機としてはなかなか便利そうだ。
しかし、今回プリンター経由でデジタルデータを見てみると、画像自体はさほど解像度が高いほうではなく、むしろ、低めの部類に入る。これは輪郭の甘さが欠点といわれる「DS-7」と比較しても、それを上回るほど。もっとも、DS-7の画像は解像度が低いわけではなく、輪郭強調をあまりかけていないので、いっけん、低そうに見える。サイバーショットも、どちらかというと、輪郭をあまり強調しないタイプだ。そう考えると、この解像度はやや不満が残るレベルといえそうだ。
一方、色調や階調の再現性はなかなか良好。とくに、色鉛筆のカットやフルーツのカットを見ると、その素直さがよく理解できる。とくに、人物撮影などは、解像力よりも階調や肌色の再現性が重視される世界なので、なかなか良好な結果が得られる。
とくに色再現性は素直で、見た目に近い感じだ。しかし、DS-7に比べると、彩度が若干低めなので、やや見劣りがする感じもある。色の世界は、善し悪しよりも、好みの世界ともいえるが、個人的には写真的な美しさを備えたDS-7の色調のほうが”好き”だ。
今回は取りあえずの第一報ということで、より詳しい使用感などは、次回を期待していただこう。今回はフル充電する時間がなかったので、あまり正確なことはいえないが、カタログ上でもフル充電で27分といわれる撮影時間だけに、実際にはかなり短くなることが予想される。また、無限遠のピントについても気になるし、操作感も要チェック。このあたりは、数日うちに再びレポートをお送りする予定だ。個人的には、期待が大きかっただけに、ガッカリとした部分も多く、すでに本機を”サイバーちょっと”と呼びはじめているのだが・・・。
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/960822/sony.htm
('96/10/25)
[Reported by date@impress.co.jp]