【イベント情報】

携帯情報機器と移動体通信の展示会

第3回モバイル コンピューティング展 レポート

'96/10/23~25 開催

連絡先:
モバイルコンピューティング展事務局
Tel.03-3434-1391

Mobile Computing Show
 携帯情報機器と移動体通信の展示会、モバイル コンピューティング展が10月23日より開催されている。開催場所は有明・東京ビッグサイトの西2ホール。出展社数は27社という、こじんまりした展示会だ。

 「携帯情報機器と移動体通信のビジネスにおける有効活用のための専門展」とあるように、携帯機器・移動体通信を利用した業務用システムの展示がほとんどだ。PHS各社のブースではデータショウ '96でも展示されていた32kbpsデータ通信(PIAFS)のデモが目についた。ハードウェア的には、あまり目新しいものはなく、ソフトウェアでもLotus NotesやOracle Mobile Agentsなど、クライアント・サーバーシステムをモバイル環境で利用するためのソフトウェアの展示が多く、個人ユーザーにとって面白いものはあまりなかった。

 モバイル コンピューティング展は23日(水)から25(金)まで、10:00~17:00(最終日は16:30終了)の開催で、“MBI'96「携帯型情報・通信システム総合会議」”も同時開催される。


●モトローラの双方向無線データ・モデムカード「PM100D(参考出展)」●

Motorola PM100D
 日本オラクル(株)のブースでは、同社のモバイル通信用ミドルウェア「Oracle Mobile Agents R2.0」のデモを行っていた。同ソフトはLAN、電話、ラジオ無線の3つの媒体をサポート、ネットワーク間のゲートウェイ機能とメッセージの蓄積・配信機能を提供する。その無線サポートのデモに使われていたのが、日本モトローラ(株)の双方向無線データ・モデムカード「PM100D」だ。

 「PM100D」は、モトローラが開発した広域の双方向無線パケット通信システム「DataTACシステム」上で動作する無線モデム。すでに米国・カナダをはじめとした多くの国で採用されているが、95年に日本でもDataTAC方式が標準規格化され、現在、日本でのサービス開始に向けて準備中。「PM100D」の使用にあたっては、第1種通信事業者との契約が必要となるが、東京では日本シティメディアが11月に、大阪は関西シティメディアが97年春にサービスを開始する予定とのことだ。東京ではサービス開始時には、国道16号線の内側がサポート区域になる予定だという。
 「PM100D」はローミング・サービスを提供しており、移動中の通信もサポート。また内蔵バッファ(64KB)に受信したデータを蓄積することもできるため、パソコンと接続しなくてもデータの受信・蓄積が可能だ。

【PM100Dのおもな仕様】

PM100D連絡先:日本モトローラ(株) WD本部 Tel. 03-5487-4440
DataTAC方式無線サービス連絡先:日本シティメディア(株) Tel.03-5476-8611

□□日本モトローラ(株)のPM100D情報ページ
http://www.mot.co.jp/SPECIAL4/index.html



●日本IBMの「Multimedia Communication Card(OEM製品)」●

Multimedia Communication Card
 日本IBMのブースでは、PCカードで初のDSVD(Digital Simultaneous Voice and Data)カードが展示されていた。同社のMwave DSP技術が使われており、DSVD・データ・FAXモデム/オーディオ機能を持つ。モデムとオーディオ機能をもつことから、ThinkPad 535とThinkPad 560を使ってテレビ会議のデモを行っていた。ボイスとデータ両方を同時に送る、DSVDモデムとして利用する場合は、ボイスで最大9.6kbpsを確保するという、ボイス優先の仕様となっている。Mwave技術のため、当然ソフトウェアによるアップグレードが可能だ。
 Mwave利用といえば、当然気になるのが、「ThinkPad 535などのMwaveモデムを搭載した機種でも、DSVD機能を使えるのか」という点だ。これについて質問したところ、部署が違うので確かなところは分からないとしながらも、「それは可能だが、ThinkPad 535のMwaveにはそのコマンドが入っていないと思う。もしかすると最新出荷バージョンにはもう入っているかもしれないが、マニュアルには記載していないし、もちろん正式サポートはしていない」とのこと。ということは、今後のThinkPad製品で、DSVDが正式サポートされることも可能性としては考えられる。

 また、IBMはPCカード製品も出しているのに、どうしてこの製品はOEM製品で、一般売りはしないのかという点については、「IBMのThinkPadでは、ほとんどの製品でMwaveをすでに搭載しているので。ただ、一般売りもこれから検討するかもしれない」という。一般売りするとしたら、価格は一般のPCカード型モデムより1~2万高いくらいになるようだ。

【Multimedia Communication Cardのおもな仕様】

Multimedia Communication Card 連絡先:日本IBM(株)
                     テクノロジー事業部 周辺応用機器営業部
                     Tel. 03-5487-4440



●アイトロン データ・テックのオフロードコンピュータ「XC6000」●

Multimedia Communication CardMultimedia Communication Card
 アイトロン データ・テックのオフロードコンピュータ「XC6000」そのものは、95年11月にすでに発表されているモデルで、防水、耐衝撃、耐振、零下20度から60度までの温度で使えるなどの、“ともかく丈夫”な仕様が売り物のノートパソコンだ。
 今回気になったのは、参考出展されていた、モトローラの無線モデム内蔵タイプ。ディスプレイの右上にアンテナが付いている(写真左)。内蔵の無線モデムはDataTAC対応製品で、機能は先に紹介した「PM100D」と同じだ。DataTAC対応の無線サービスが始まってから、発売する予定とのこと。オフロードコンピュータに無線モデム内蔵というのは、非常に目的に合った仕様と思えるが、無線モデムを内蔵していない「XC6000」が80万くらいとのことで、よほどの好き者でなければ、個人で購入するには手が出ない価格(ちょっと仕様も古めかしいし)。しかし、マグネシウム合金の内張り(写真右)はカッコいい。なお、現在はWindows 3.1モデルのみで、Windows 95モデルはまだ発売されていない。

【XC-6000のおもな仕様】

XC6000 連絡先:アイトロン データ・テック(株) Tel.03-3662-7770(代)


[Reported by hiroe@impress.co.jp]


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