モデムメーカーの米U.S.Roboticsは16日(現地時間)、通信速度56kbpsに対応したモデムの技術発表を行った。
技術名称は「x2」。56kbpsの通信速度が実現されるのはプロバイダなどのセンター側からデータを受信するダウンロード時のみ。データ送信のアップロード時には従来の28.8または33.6kbpsの速度になるという。WWWのブラウズなどといったダウンロード側のデータ量が多いインターネット接続には向いていると同社は説明している。
1997年初旬にx2対応製品を発売するほか、CourierやSportsterといった現行のモデム製品もフラッシュROM上のソフトウェア書き換えによるアップグレードサービスが行われる。国内では今月末にも設立される予定の日本法人を経由し、販売代理店を通じてx2対応製品が販売されるという。販売時期は米国とほぼ変わらない時期になる予定で、アップグレードサービスについては詳細は未定となっている。
また、同時にAmerica Online(AOL)、CompuServe、MCIなどを含む30社以上のプロバイダがこのx2のサポートを表明したとしており、その中には日本の東京インターネット、グローバルオンラインジャパンら4社の名前も含まれている。U.S.Roboticsでは11月からx2のテスト運用を開始する予定で、確認できた範囲では、国内ではグローバルオンラインジャパンが準備できしだいx2対応製品のテスト運用をはじめる。東京インターネットは「テスト運用に関して合意はとれているが時期など詳細は未定」だという。
U.S.Roboticsは、国際電機通信連合(ITU-T)に対してx2を国際標準とすべく提案をすでに行った、と発表している。
また、56kbps対応モデムに関してはすでにチップメーカーの米Rockwell Internationalが独自開発の技術を9月に発表しており、モデムメーカー各社からも対応モデムの発売が予告されているが、この規格との互換性は現段階ではないという。
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□米U.S.Roboticsのホームページ
http://www.usr.com/
□ニュースリリース
http://arctic.usr.com/technology/pr.html
□x2技術のホームページ
http://arctic.usr.com/
('96/10/17)
[Reported by 石橋 文健]