【イベント】
WORLD PC EXPO 96レポート
アップルブースの見どころ
'96/9/4~7 幕張メッセにて開催
連絡先:アップルカスタマーアシスタンスセンター
Tel. 03-5411-8500
アップルブースはMacworld EXPOの時のような大混雑はしていないので、比較的ゆっくり展示を見られる(最終日の9月7日、土曜日は平日より混むことが予想されるが)。OpenDocとCyberdog、QuickTimeなど最近のアップルの技術について知るにはいい機会だ。もちろん、9月下旬に発売される漢字Talk 7.5.3を展示機で見ることもできる。
PenLiteプロトタイプ機
なんの説明もなく置かれている、ペン入力ノートマシン。これは新機種なのか、CPUは何を搭載しているのかなど聞いてみたところ、「中身はほぼDuoと同等。プロトタイプマシンで、発表の予定はない。」とのこと。なるほど裏返してみると、「PenLite Prototype Unit - Not for Resale」のプリントが。それがなぜ展示されているのかというと、「次のOS(Mac OS 8)ではペン入力も必要になるだろうということで作ったプロトタイプで、ここに置いていろいろな人に文字入力してもらって、文字の書き方のデータを集めている」ということだ。
つまり、このマシンで文字入力をすることで、アップルのペン入力エンジンの開発の協力ができるということだ! アップルファンは、ぜひ会場でペン入力しよう。
Cyberdogプレゼンテーション
アップルブースでは、10月に発売予定のCyberdog 1.1のデモに力を入れている。「Cyberdogは、OpenDocのマルチプラットフォームをサポートするオープンなコンポーネントソフトウェア技術を使って……」などという説明を読んでもその実体はなかなか分からないが、実際にデモを見れば一目瞭然。Cyberdogというのは気になっているんだけれども、いまひとつ理解できない、というならアップルブースでぜひ実物を見てみよう。
Cyberdogのメニューは、「Explore」「Mail」「Notebook」「Log」「Serch」「News」「Appletalk」の7つ。中心となるExploreでは、Webのブラウズ、ftp、Gopher、Telnetができる。URLやメールアドレスの管理は、Exploreのアイコンをクリックしたり、ドラッグ&ドロップなどの簡単な操作でNotebookに記録、管理することができる。
またCyberdogは、コンポーネントソフトウェアでできているため、WebのブラウザはNetscape社のコンポーネントを利用するなど、気に入ったサードパーティのコンポーネントと入れ替えることもできる。なお、Netscape社はCyberdog用のWebブラウザコンポーネントを開発することをすでに表明している。
またCyberdogの大きな特長として、「Mail」で電子メールの中に、ドラッグ&ドロップでグラフィックファイルやURLを添付できることが挙げられる。また、メールの中に添付されたURLをクリックすれば、自動的にブラウザが起動、そのURLのホームページにジャンプすることができる。
インターネットソフトウェアの機能を、ドラッグ&ドロップなどのMac OSと共通の操作で簡単に利用することができるため、とくにインターネット初心者にとってありがたいソフトウェアだといえる。
日本語に対応、680x0系CPUもサポートした、Cyberdog 1.1は下記のアップルのWebサイトで入手できる。
□アップルのCyberdogページ
http://www2.apple.co.jp/cyberdog/
Apple PC Compatible Card(参考出展)
すでに米国では販売中の、Apple PC Compatible Cardの日本語版が参考出展されている。
カードは以下の2種類ある。
・Apple PC Compatible Card 7"
Cyrix 586 100MHz
DIMMスロット×1(最大メモリ32MB)
・Apple PC Compatible Card 12"
intel Pentium 100MHz
8MBメモリ(カードに直づけ)、DIMMスロット×1(最大メモリ72MB)
MacとPCがひとつの筐体に入っているようなもので、キーコンビネーションで切り換え可能。ハードディスクなどは共有することになるが、カードに付属するMac機能拡張をインストールして、ドライブの容量をPC側のCドライブなどに割り当てる設定をするだけで、PCのドライブとして認識され、Mac側にもこのドライブがマウントされるので、PCとMacでのファイル共有が非常に楽だ。また、PCとMacを切り換えるときに、クリップボードの内容を自動的に転送するのも非常に便利な機能だ。また、PCとMacでIPアドレスを別に割り当てることもできる。
販売スケジュールはまだ正式に決まっていないが、97年3月までには出したいという。価格も未定だが、米国でのストリートプライスは、800~1000ドル程度。Windowsマシンが多い環境の中でMacを使っているような企業ユーザーにはとくに便利だろう。
Future User Interface(参考出展)
“Future”といっても、そう遠い将来ではなく、来年あたりに製品化される
ユーザーインターフェースがふたつ展示されていた。
ひとつは「Handwriting Recognition」、つまり手書き文字認識だ。展示機はカラー液晶ペンタブレットとペンタブレットが接続されていた。ドライバができればカラー液晶ペンタブレットで画面に直接入力できるようになるとのこと。製品化ははっきり決まっていないが、来年あたりという。PenLite Prototype Unitといい、来年はペン入力Macが出てくる気配が濃厚だ。
ペン入力のエンジンは、アップルが開発したもので、JIS第一水準、第二水準の漢字をサポート、6千文字以上の認識が可能で、ひらがな・カタカナ・英字認識も対応している。
認識効率は、ふだん使っているシャープの電子手帳、Wizなどに比べるといまひとつなのだが、気に入ったのは小さなマス目に入力する必要がないこと。ドキュメントウィンドウいっぱいにひと文字を書いてもいいのだ。すべるスタイラスペンで狭いところにちまちま入力するより、気持ちよく書ける。
もうひとつは、音声認識ソフトウェア、「Speech Technology」。すでに中国語版は製品化されており、中国語版では毎分60文字の入力と95%の認識率を実現している。中国語版は製品発表の際にデモを見たが、少し慣れれば十分使いものになりそうだったので、日本語版の製品化が楽しみだ。
('96/9/7)
[Reported by hiroe@impress.co.jp]
ウォッチ編集部内PC Watch担当
pc-watch-info@impress.co.jp