NCや$500PCという単語でアメリカが騒がしくなっているとき、日本では先行して似たようなコンセプトのPiPPINやIBOXが登場。そして、今ではゲーム専用機のSEGAサターンにもInternet接続ができるオプションが発売されている。いろいろと問題点も指摘されてはいるが、安価なネットワーク端末が家庭に入っていくという構想については、すでに国内では規模の大小はともかく少しずつ実現してきているようだ。
バンダイ・デジタル・エンタテインメントではPiPPIN@をデモし、幾つかの参考展示を行っていた。動画キャプチャ可能なConnectix社のQuickCamをPiPPIN@に接続し、動画表示のデモ。同社によると、まだ動画キャプチャができるというだけで、CU-SeeMeなどのテレビ会議ソフトが用意できておらず、現在開発を検討しているところだという。さらに、ロータスNotesのクライアントとHotJavaの動作をデモ。イントラネット端末として利用できるよう力を入れているのだという。
日本電算機はIBOXの後継機IBOX+を展示し、ZIPドライブやデジタルカメラ(KODAK DC20)を接続して拡張性の高さをアピール。そしてIBOX用のXwindowターミナルも実演していた。同社の話では、やはり動作の遅さに関してはユーザーからの指摘も多く、一番頭を悩ませている点だという。IBOX+はIBOXと比べてCPUについては差がないものの、ソフトウェアのチューニングによって速度性能については若干改善されているそうだ。また、IBOX+の次期機種について触れ、すでにPowerPCを搭載した「IBOX++(仮称)」を開発中だという。
IBOXは今のパソコンから比較すると非力なCPUで、そして拡張性がなかった。IBOX+ではソフトウェアチューニングによる速度向上と、ハードウェアの拡張性についての改善が施され、周辺機器もつながるようになった。そして、さらに高速化のためにPowerPCが載るという。ユーザーの声では周辺機器をつなげるための拡張性と、速度が要求されているためというが、価格もトータルでは高くなる傾向にあり、結局はどんどんパソコンに近づいていっているだけのようにも思える..。
AplixのブースではSEGAサターン用のInternet接続キットを実演し、来場者にネットサーフィンを楽しませていた。サターンはグラフィック表示も得意なのでさぞかしWWWブラウザの表示も早いように思えるが、モデムのスピードのせいのなのかあまり体感としては早い感じはしない。
言わば「国産のNC」たちはうまく成功するのだろうか?。
('96/7/25)
[Reported by 石橋 文健]