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旺文社メディアを買収
孫氏とマードック氏の共同作戦

ソフトバンクが豪社と合弁で、テレビ朝日に資本参加

 共同通信によれば、ソフトバンク株式会社は、20日、世界的なメディア王として知られるルパート・マードック氏が率いるオーストラリアの複合メディア企業、豪News Corp.と合弁会社を設立し、間接的に全国朝日放送(テレビ朝日)に資本参加すると発表した。
 インターネットなどを中心に複合メディア事業を進めるソフトバンクと、日本でのデジタル衛星放送参入に意欲を示すマードック氏の利害が一致した形。本格的なデジタル放送時代が間近に迫る中、パソコンを使ったデジタル情報ネットワークの世界で強力なノウハウを持つソフトバンクと、資本力を誇るメディア王の提携は、放送界に影響を与えそう。今後マルチメディアが進展する中で競争激化や再編も予想される。
 ソフトバンクとNews Corp.は今後、中長期的に日本で複合的なメディア事業の展開で協力する。テレビ朝日とは「緩やかな協力関係」(孫社長)を通じてメディア事業で提携するという。
 ソフトバンクとNews Corp.は、9月末までに折半出資で合弁会社を設立。テレビ朝日の発行済み株式の21.4%を保有する旺文社の100%出資子会社の「旺文社メディア」の全株式を買収する。
買収金額は約417億円。旺文社メディアは単独ではテレビ朝日の筆頭株主。放送局への外資参入は約20%までに規制されているが、News Corp.の合弁会社への出資は50%なので、問題はないという。
 合弁会社の社名、社長などはまだ決まっていない。旺文社メディアは買収後は社名を変更し、ソフトバンク、News Corp.のいずれかから社長を受け入れる。現在は、旺文社からテレビ朝日に取締役二人、監査役一人を派遣しているが、買収後にはソフトバンク、News Corp.から役員を派遣することになる。
 ソフトバンクは旺文社とも提携し、ソフトバンクのソフト販売力やインターネットに関するノウハウと、旺文社の教育分野での蓄積を結び付けて新たな事業を展開する。旺文社も将来ソフトバンク、News Corp.の合弁会社に数%資本参加する可能性がある。

('96/6/20)


[Reported by date@impress.co.jp]


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