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ウォッチ副編集長が見たCOMDEX
JavaへといざなうScott McNealyの基調講演

COMDEXレポート 編集部編 3日目

 COMDEX3日目の基調講演は、Sun Microsystems社CEOのScott McNealy氏。日に日に基調講演は派手になっているようで、舞台の上には大きな太陽の飾り付けがなされていた。期せずして基調講演のオープニングは3日ともコラージュを使ったビデオとなったが、本日のが一番凝っていたのではないだろうか? ハードロック調の音楽の歌詞にきちんとセールストークが埋め込まれているのが新鮮だった。
 さて、肝心の講演の方だが、最初から「PCを使い続ける10の理由」と題して、現在のPCユーザーの苦労を皮肉り場内の爆笑を誘うというスタイルで始まった。講演の半分は、こうした「笑い」のために使われ、説明された内容は具体性に欠けるものであった。
 とはいえ、McNealy氏が現在のPCに関してもっとも問題としているのは、頻繁にシステムがダウンしてリブートの必要があったり、ちょっとしたことをするにも管理者が必要だという「扱い難さ」の部分であることは、はっきりと伝わった。彼は、携帯電話を持ちだし、「これがZero Administrationの例です」と言い、「もしこれがWindowsなら、電話を掛けるためにリブートしなければいけなかったり……」と揶揄し、Zero Administrationの必要性を語った。そして、こうした問題を解決するのにJavaが最適であるとした。
 このコンセプトは確かにユーザーのニーズを的確に反映しているものといえるが、同時に昨日MicrosoftのPaul Maritz氏が語ったSIPCのコンセプトとまったく同じであるともいえる。Windows散々皮肉り、最後に「既存のプログラムは早くJavaにポーティングすべきだ。これからのアプリケーションはJavaで書くべきだ」と語ったScott McNealy氏だが、早くJavaが安定して快適に動く環境とポーティングしやすい開発環境を提供しなければ、SIPCの方が先に指摘した問題を解決してしまう可能性もあるのが現状ではないだろうか。
('96/6/6)


[Reported by ken@impress.co.jp]


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