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NEW PRODUCTS TESTREPORT

NEC
VALUESTAR C VC500/1D
静音設計にこだわったWindows XP搭載機
TEXT:橋本新義 Shingi Hashimoto


一新された新デザインの筐体を採用。フロントパネルの上下には電源ON時に青く光るランプが搭載されている
 主力メーカーが相次いでアグレッシブな製品を投入したことで、激戦の様相を呈するWindows XP搭載PC市場。NECもこれをターゲットに同社の主力となるVALUESTARシリーズをフルモデルチェンジした。その中でミドルレンジデスクトップ機「VALUESTAR Cシリーズ」の主力機種とも言えるのが、このVALUESTAR C VC500/1Dである。同社のPentium 4搭載機の中で、もっともベーシックな構成のモデルだ。

 本機はいわゆる“コンパクトPentium 4マシン”の範疇に入るモデルなのだが、幅115mm、奥行き400mm、高さ360mmと、僚誌DOS/V POWER REPORTより二回りほど大きく、同タイプの中では大きめの部類に入る。その半面、内部に関しては、FDDを本体に搭載しないという設計も手伝ってほとんどのパーツが余裕を持って配置されており、非常にシンプルな構造となっている。結果として、メンテナンス性は非常に高い。

 基本的なパーツ構成は、この冬モデルでの定番とも言えるものだ。CPUはSocket478版Pentium 4 1.5GHz、チップセットはIntel 845というコンビネーションで、メインメモリには256MBのPC133 SDRAMを搭載する。ビデオチップはオンボードAGP接続のGeForce2 MXで、ビデオメモリには16MB SDRAMが搭載されており、全般的にバランスの取れた構成となっている。

 今回使用した試用機のHDDは80GBの容量を持つMaxtorのDiamondMax D540X 4K080H4、光学ドライブは8倍速CD-R書き込みに対応した松下のDVD-ROM・CD-R/RWコンボドライブCW-8571と、こちらも定番的なものでまとめられている。ちなみに、HDDはWindows XPマシンらしく、NTFSでフォーマットされている。

意外なまでにすっきりとまとめられた筐体内部。CPUファンは大きめで、十分な風量を確保しながら静粛性も高い メインメモリはPC133対応のSDRAM。標準状態でメモリスロットには1本の空きがある

 インターフェイス面も同社のデスクトップ機らしく充実しており、フロント部にUSB、IEEE 1394、PCカードスロットなどを備え、良好な使い勝手が実現されているほか、背面部にはモデムに加えてEthernetポートも搭載することでブロードバンドインターネットにも対応できる。

 本機の隠れた特徴の1つが、強力な電源ユニットである。実はケースの大きさを活かし、一般的なmicroATXと同じサイズ(いわゆるSFX12V仕様)の製品を搭載しているのだが、全体出力で224W、5Vと3.3V合計で90Wという、高出力の電源となっており、周辺機器を多数増設しても安定した動作が望める。

 放熱対策も特徴的だ。実は本機の場合、小型デスクトップ機ではめずらしい、巨大なクーラーを複数搭載するという方法だ。実際に使われているファンは、電源が8cm角、CPUが7cm角、バックパネルのファンが6cm角となっている。一般的なmicroATXのタワー型PCと同等以上の冷却機構を備えているのである。その利点は、低速回転でも風量の大きい大型ファンを使うことで、非常に優れた静粛性を実現していることだ。これは目立ち難い点ではあるが、ある意味、最大の特徴だろう。さらにCPUクーラーの回転数は、CPU負荷をかけても変動しないタイプだ。そのため一部の機種で問題となっている、CPUをフルパワーで動作させたとたんに稼働音が大きくなるといった問題もない。これはぜひともショップ店頭などで確認していただきたいが、かなり耳を近付けないと風切り音が聞こえることはないはずだ。以前からNECは動作音の低減にこだわってきたが、本機ではそうした経験が結集されていると言える。

 付属の液晶ディスプレイは、狭額縁タイプの新型パネルを使用したモデルだ。さすがにハイエンドモデルのパネルにはかなわないが、その表示品質は優秀なものだ。また、スピーカーとワイヤレスキーボード/マウスの受信部も内蔵されており、設置スペースの柔軟性に一役買っている。

 本機は省スペース性という点では競合製品に若干劣るものの、それを補って余りあるほどの静音性やデザイン性にこだわったケースなど、いわゆる“見えない部分の性能”に優れており、NECがこれまで培ってきたノウハウが存分に活かされた製品となっている。現在のホームPCのレベルの高さを垣間見ることのできるマシンだ。

・製品名:VALUESTAR C VC500/1D
・標準価格:オープン(実売200,000円前後)
・問い合わせ先:NEC
・TEL:0120-977-121(121コールセンター)
・URL:http://www.nec.co.jp/
・CPU:Pentium 4 1.5GHz
・チップセット:Intel 845
・メモリ(最大):256MB PC133対応SDRAM(1GB)
・HDD:80GB(Ultra ATA/100)
・FDD:なし
・DVD-ROM・CD-R/RWドライブ:CD-R書き込み最大8倍速、CD-RW書き換え最大8倍速、DVD-ROM読み出し最大8倍速、CD-ROM読み出し最大32倍速
・ビデオチップ:nVIDIA GeForce2 MX
・ビデオメモリ:16MB
・ディスプレイ:15型TFTカラー液晶
・最大解像度:1,024×768ドット/1,677万色
・サウンドチップ:Intel 845+AC '97 CODEC
・モデム:56kbps(V.90/K56flex対応)
・キーボード:109キー(無線接続)
・内部拡張スロット(空き):PCI×2(2)
●外部インターフェイス
 ・本体前面部:USB×1、IEEE 1394(S400、4ピン)×1、S/P DIF OUT(光角型)×1、PCMCIA Type2×2(Type3×1、CardBus対応)
 ・本体背面部:USB×1、IEEE 1394(S400、6ピン)×1、ディスプレイ(Dsub 15ピン)×1、ディスプレイ(専用端子)×1、LINE IN×1、LINE OUT×1、マイク×1、モデム(RJ-11)×1、10Base-T/100Base-TX(RJ-45)×1
・本体サイズ(W×D×H):115×400×360mm
・重量:約9.1kg
・OS:Windows XP Home Edition
・付属ソフト:Office XP Personal、Ulead VideoStudio 5 SE Basic、RecordNow DXなど


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□製品情報
http://121ware.com/
□関連記事
【10月22日】NEC、Windows XPを搭載し、デザインが一新されたVALUESTARシリーズ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011022/nec3.htm


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