NEW PRODUCTS TESTREPORT

	フェイス
	INSPIRE 4200SN/RW
	柔軟な構成が可能なBTO対応Intel 845搭載機
	TEXT：水島伸行　Nobuyuki Mizushima

標準仕様のケースは外板、シャーシともに作りがよく、手回しネジの採用でサイドパネルの開閉も簡単に行なえる

　話題のパーツを搭載したマシンを一早く投入するフェイスから、IntelのSDRAM 対応Pentium 4用チップセット、Intel 845搭載機「INSPIRE 4200SN/RW」が発売された。

　本機は、これまでのINSPIREシリーズ同様、BTOによって構成パーツを変更できる。その自由度は非常に高く、ケースはおろかマシンの基幹部であるマザーボードまで変更可能である。試用機ではASUSTeKのP4Bが搭載されていたが、このほかにGIGA-BYTEのGA-8IDXHや、IntelのD845WN、MSIの845 Pro2、RIOWORKSの SU45AといったメジャーブランドのIntel 845搭載ボードが選択できる。これらのラインナップを見ても分かるように、選択できるCPUはSocket478版のPentium 4で、そのクロックは1.5～2GHzの間で100MHzきざみで用意されている。

　メモリはPC133対応SDRAMだ。その価格は非常にこなれてきたため、64MBと512MBの差額は、わずか5,000円程度にとどまる。これだけ安価であればできるだけ大容量にしておきたいところなのだが、BTOで選択できる容量は、最大512MBにとどまる。動作保証の問題などがあるのだろうが、安価なSDRAMを大量に搭載したいというユーザーは多いので、より大容量に対応してほしいところだ。ただ、P4Bをはじめとする多くのマザーボードは、そのメーカーが3GBまでの搭載を保証していることから、ユーザーが自己の責任で増設しても問題は起きにくいと思われる。

　また、HDDはIBM、Maxtor、Seagate、Western Digital、富士通とほとんどのメーカーの製品が選択可能で、容量も20GBから100GBまで豊富に用意されている。光学ストレージも24倍速CD-RドライブやDVD-ROMドライブをはじめとして、松下電器産業のDVD-RAM/Rドライブ「LF-D321JD」やパイオニアのDVD-R/RWドライブ「DVR-103」などの最新デバイスを搭載することもできるほど選択項目は多彩だ。

マザーボードはASUSTeKのP4B。また、CPUの冷却にははIntelのリテールクーラーが使用されている

　ビデオカードに関しても、nVIDIA系ではVANTA、M64、GeForce256、GeForce2 GTS/Pro/Ultra/MX 200/MX 400、GeForce3と新旧各種のチップを搭載したものが選択できるほか、ATIやMatroxの主要チップ、さらにSTMICROのKYRO IIを搭載したカードと、選択できないものを探すほうが難しいほどのラインナップとなっている。

　性能に関しては構成パーツによって大きく変化するが、今回試用した構成の、CPUがPentium 4 2GHz、マザーボードは先述のP4B、メモリ512MB、HDDはIBMの7,200rpm、60GBのIC35L060AVER07、ビデオカードにLeadtekのGeForce3搭載カードWinFast GeForce3 TDといった構成では、非常に快適な環境が構築できており、3DMark2001の1,024×768ドット/32bitカラーにおける3D marks値は5,464となった。一般的なPentium 4 2GHzとIntel 850＋RDRAM、GeForce3の環境が5,700～5,900程度を示すのに比べればやや劣るが、実際に3Dゲームを遊ぶには十分に高速なはずだ。また、Windows Meの起動はわずか20秒前後と高速で、起動待ち時間にストレスを感じにくい。

　また、高性能なシステムを安定動作させるため、冷却系が強化されており、CPUクーラーのほか、電源ファン、ケース前面、背面ファンと合計四つものファンが装備されている。しかし、このために動作中の騒音はかなり大きなものとなっていた。

　本機最大の特徴はやはり豊富なBTOの選択肢であり、Pentium 4 2GHzを使ったハイスペックマシンから、Pentium 4 1.5GHzと128MBのSDRAMといったPentium 4入門機まで幅広くカバーできる点が魅力だ。ここまで柔軟な選択が可能であれば、PCを自作してみたいが、技術的に自信がなく相性問題も怖い、といった方でも安心して好みのパーツでマシンを構成できるだろう。