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NEW PRODUCTS TESTREPORT

エルザジャパン
GLADIAC 511TV-OUT 64
GLADIAC 511PCI
遅れて登場したGeForce2 MX 400搭載カード
TEXT:本間 文 Bun Honma


GLADIAC 511TV-OUT 64。GeForce2 MX 400は発熱が小さいため、冷却ファンを必要としない
GLADIAC 511TV-OUT 64はアナログRGB出力とS-VIDEO出力を一つずつ備えている
 エルザから、nVIDIAのGeForce2 MX 400を搭載したビデオカード「GLADIAC 511」シリーズ5製品がリリースされた。今回はその中から、TV-OUT機能をサポートしたGLADIAC 511TV-OUT 64と、AGPスロットを持たない古い機種のアップグレードに最適なPCIモデルのGLADIAC 511PCIを紹介することにしよう。

 その前に、まずGLADIAC 511シリーズの心臓部であるGeForce2 MX 400について紹介しておく必要がある。昨年の6月末にリリースされたnVIDIAのGeForce2 MXは、GeForce256をベースにTwinViewをサポートするためのセカンダリグラフィックスエンジンを内蔵したチップで、その性能の高さとカード価格の手頃さで一躍ビデオカード市場の主役となった。そのGeForce2 MXの製造プロセスを0.18μmから0.15μmにシュリンクし、高速化を実現したのがGLADIAC 511にも採用されているGeForce2 MX 400だ。もちろん、製造プロセスが進化したことで、その量産効果も高まり、チップそのものの単価も安くできるようになるため、ビデオカードのさらなる低価格化が期待されていた。

 しかし、実際にフタを開けてみると、従来製品とあまり差がない価格設定にしているメーカーが多い。実は、これには理由がある。それは、GeForce2 MXのウリであったチップに内蔵されていたTMDSトランスミッタが機能していないため、アナログCRTとDVIという構成でTwinViewをサポートするためには、基板そのものから設計を変更する必要が生じたためだ。これでは、せっかくのピン互換も意味がなくなってしまう。


GLADIAC 511PCI。冷却ファンを搭載しない点はAGP版と同様だが、基板設計はまったく異なるものだ
GLADIAC 511PCIは二つのアナログRGB出力とS-VIDEO出力を装備している
 さらに、GeForce2 MX 400にはその動作クロックにも謎がある。従来モデルのGeForce2 MXは、コアクロック175MHz、メモリクロック166MHzで動作していた。しかし、nVIDIAはGeForce2 MX 400についてはその動作クロックを明らかにしていない。複数のメーカーは、GeForce2 MX 400は当初コアクロック200MHz、メモリクロックについては183MHzという仕様であったと言う。

 実際、ASUSTeK製のビデオカードなどでは、この仕様どおりに設計されている。しかし、同時にGeForce2 MX 400は、メモリクロックを引き上げると安定動作しないとも言われている。このため、いつもはnVIDIAのチップリリース直後に製品をリリースするほど密接な関係にあるエルザまでもが、安定性や画質の問題を解決するまで発売を見合わせる結果となった。

 そこで、このGLADIAC 511TV-OUT64と、GLADIAC 511PCIを見てみると、メモリにはHyndai製の6ns品SDRAMを採用。実際のコアクロックは定格どおりの200MHzであるが、メモリクロックは166MHzで動作していた。このため、パフォーマンスについては先行する他社よりもやや劣る結果になってしまってはいるが、その分、安定動作という面では優れており、長時間のレンダリング作業や3Dベンチマークテストのエンドレス動作などの負荷をかけても動作が不安定になることはなかった。これは、3年間という長期保証をウリにしているエルザならではの作り込みと言えるだろう。

 さらに、PCI版はAGP版と比べればその性能は見劣りがするが、旧式のAGPビデオカードやチップセット内蔵のビデオ機能よりは高いパフォーマンスを示す。しかも、その画質もメモリクロックを低めに抑えてある分、安定しており、老舗ビデオカードメーカーが、あえて発売スケジュールを遅らせてまで作り込んだ、価値ある製品に仕上がっている。


ベンチマーク環境 CPU:Pentium III 1.0BGHz、マザーボード:ASUSTeK CUSL2、メモリ:PC133 SDRAM 256MB(CL=3)、HDD:IBM DTLA-307030(Ultra ATA/100対応 30GB)、OS:Windows Me(DirectX 8.0aインストール)、1,024×768ドット/32bitカラー、Vsync=OFF

・メーカー:株式会社エルザジャパン
・問い合わせ先:03-5765-7391
・URL:http://www.elsa.com/international/japan/
■共通仕様
 ・ビデオチップ:nVIDIA GeForce2 MX 400
 ・RAMDAC:350MHz
 ・最大解像度:2,048×1,536ドット/1,677万色
 ・対応OS:Windows Me/98/2000/NT 4.0

・製品名:GLADIAC 511TV-OUT 64
・標準価格:オープン(実売18,000円前後)
・インターフェース:Dsub 15ピン×1、S-VIDEO OUT×1
・ビデオメモリ:64MB SDRAM

・製品名:GLADIAC 511PCI
・標準価格:オープン(実売17,000円前後)
・インターフェース:Dsub 15ピン×2、S-VIDEO OUT×1
・ビデオメモリ:32MB SDRAM


■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)

□エルザジャパンのホームページ
http://www.elsa.com/international/japan/
□製品情報
http://www.elsa.com/international/japan/product/ch/gladiac511/gladiac511.htm


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