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NEW PRODUCTS TESTREPORT

EIZO
FlexScan T565
ダイヤモンドトロンM2管採用の高品位CRTディスプレイ
TEXT:本間 文 Bun Honma


本体前面には、左側に2系統の入力切り換えとFineContrast IIのモード切り換えボタンが、右側にはOSDコントロール用のカーソルキーが配置されている
背面部には、Dsub15ピンと5BNC入力のほか、Screen Manager Pro for USB用のUSB端子も存在する
 EIZOのFlexScanシリーズに三菱電機が開発したダイヤモンドトロンM2管(以下、DM2管)を採用した17型CRTディスプレイ、FlexScan T565が追加された。その最大の特徴は、DM2管が持つ最大300cd/平方メートルの輝度を活かし、DVD-Videoなどの動画再生に最適なMovieモード、Webブラウジングなどに適したブラウザモードなどに、本体前面のスイッチで簡単に切り換えられることだ。これまでも、イーヤマなど、ほかのメーカーから動画再生時に輝度や色温度を切り換えることができるディスプレイは存在していたが、利用するアプリケーションごとに設定が可能な製品は、本製品が初めてだ。

 この“FineContrast II”と名付けられた機能は、従来のFlexScanに搭載されていたファインコントラスト機能を強化したもので、輝度やガンマ、色温度、シャープネスといった画質の構成要素を表示する内容に適した状態に自動的に設定してくれるもの。従来のText/Picture/Movieの3モード(一部機種はMovieモードを除く2モード)に加え、BrowserやGraphicモードが追加されている。しかも、最近、ユーザーの利用事例が増えているDVD-Video再生などに活躍するMovieモードでは、フル画面かウィンドウ表示かといった再生環境の変化にも柔軟に対応できるように、ガンマ設定とシャープネスのON/OFFの組み合わせにより、1から4までのモードが用意されている。さらに、デジタルカメラやプリンタ、スキャナなどのフォーマットとして普及しているsRGBの色再現域に合わせたsRGBモードも搭載する。

 また、付属のScreen Manager Pro for USBを使えば、USBケーブルで本機とPCを接続することで、FineContrast IIの各モードをマウスやキーボードから切り換えることが可能なActiveGamma機能が使えるようになる。さらに、この機能を使えば、普段使っているテキストエディタをTextモードに割り当てるというふうに、アプリケーションごとにFineContrast IIの各モードを関連付けることができる。アプリケーションを起動すれば、自動的に最適なモードに切り換わるため、フロントパネルのボタン操作なしに最適な画質を得ることが可能なわけだ。しかも、このActiveGammaでは、DVD-Videoなどのストリーミング信号を自動検知し、そのウィンドウ内だけを300cd/平方メートルの輝度にするWindowMovieモードがサポートされる。ただし、あらかじめ注意しておきたいのは、このWindowMovieモードには、デフォルトの色温度やコントラストなどを調整してあった場合に、その変更した設定が反映されてしまうことだ。

Browserモードでは、テキストと画像が混在するコンテンツを見やすいように、やや暗めの調整になっている もっとも明るい設定のMovieモード。メリハリのある画質で動画再生を楽しむことができる

 これまでFlexScanシリーズは、デザイナーやイラストレータ、カメラマンといった画像のプロフェッショナルに愛用されてきただけに、最適な色再現性を求めて、同社のカラーキャリブレータ、ErgoColor C100などを使って、色温度やガンマなどを補正しているユーザーも多い。しかし、このT565に関しては、デフォルトの設定で使い続けてこそ真価が発揮できる設計になっている。もちろん、Dsub 15ピンと5BNCのそれぞれでカラー調整などが記憶できるので、仕事用マシンにはカラーキャリブレーションを施し、DVD-Videoなどを再生するマシンはデフォルトで使うといったこともできるので、プロフェッショナルユーザーでも心配することはない。T565の基本性能は、AGピッチ0.25mm、水平走査周波数30~96kHz、垂直走査周波数50~160Hzと従来モデルのFlexS can T561と変わらないが、その画質や機能は、テレビやDVD-Videoが楽しめる最近のメーカー製PCに合わせてチューニングされている。その意味では、まさしく、動画世代のための高品位ディスプレイと呼べる製品だ。


  • 製品名:FlexScan T565
  • 標準価格:オープン(実売40,000円前後)
  • メーカー:株式会社ナナオ
  • 問い合わせ先:03-3455-7701
  • URL:http://www.eizo.co.jp/
  • ブラウン管:17型アパーチャーグリル管
  • グリルピッチ:0.25mm
  • 水平走査周波数:30~96kHz
  • 垂直走査周波数:50~160Hz
  • 最大表示解像度(推奨):1,600×1,200ドット/75Hz(1,280×1,024ドット/85Hz)
  • インターフェース:Dsub 15ピン×1、5BNC×1
  • 消費電力:110W
  • 本体サイズ(W×D×H):410×439×413mm
  • 重量:19.5kg

    ■写真撮影
    若林直樹(STUDIO海童)

    □ナナオのホームページ
    http://www.eizo.co.jp/
    □製品情報
    http://www.eizo.co.jp/products/crt/index.html
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