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7月2日、米Microsoftは、Windows XP RC1(Release Candidate 1)を完成し、米国で行なわれているプレビュープログラム登録者や開発者向けのMSDN、TechNETなどデベロッパーに向けて配布を開始した。このプログラムでは、RC1を10万人ほどのユーザーやデベロッパーに配布する。
Windows XPのバージョン番号 |
OS自体の機能としては、パフォーマンスアップ、バグフィックスなどが中心となっている。ユーザーインターフェイス部分での変更としては、ログオンを行なう時に出てくるピクチャーの数が増えている。もちろん、ユーザーがデジカメなどで撮影した写真をログオンのピクチャーとして利用することも可能だ。
パフォーマンスに関しては、製品版を意識したリリースになり始めており、β2に比べると相当パフォーマンスがアップしている。これは、コードのチューニングが始まったことと、デバッグコードが取り除かれてきたことが大きな理由だろう。
Microsoftでは、Windows XPが要求するハードウェアに関して、300MHz以上のCPU、128MBのメモリを推奨環境としている。日本語版のハードウェア環境に関しては、詳細な発表はないが、今までの経験から考えると500MHz以上のCPU、256MBのメモリぐらいがあれば快適に動作するだろう。現在のCPUやメモリの低価格化の状況を考えれば、それほど高いハードルとはいえない。
Windows XPを起動すると、今までβ2で見慣れたLunaの画面ではなく、落ち着いたWindows XPのバックグラウンド画面となっている。β2では、画面の左上にアイコンがあったが、RC1からは「ゴミ箱(Recycle bin)」だけとなった。
Windows XP RC1のデフォルト画面 | IE6.0の画面。英語版に日本語フォントを入れて、日本語HPを表示 |
もう1つ、記者向けセミナーでも話されたが、Windows XPでは、ウィンドウの枠などの色が変更できる。当初は、BlueしかなかったがOlive Green、Silverが追加された。
スタイルをOlive Greenに変更すると、このような画面になる |
Silverに変更するとこうなる |
大きく変更されたのは、エクスプローラ画面だ。基本的な操作は、β2と同じだが、エクスプローラでさまざまなインフォメーションや操作が行なえる「タスクエリア」とフォルダなどのツリー表示を行なう画面が「Folder」アイコンで切り替えられるようになった。β2では、「タスクエリア」、「Folder」も同時に表示(画面を3分割)できるようになっていたが、ユーザーからのフィードバックで使いにくいということで変更された。
エクスプローラの基本画面 | フォルダボタンを押すと、タスクの部分がフォルダツリーに変わる |
Windows Messengerは、今までの添付されていたMSN Messengerを改良し、IM(Instant Message)にNetMeetingなどの機能を統合したものとなっている。これにより、単にIMだけでなく、ビデオカメラ、マイクとスピーカーを利用してTV電話と同じコミュニケーションが楽しめる。
Windows Messengeを利用するには、Passportもしくは、Hotmailのアカウントが必要 | Windows Messengerの画面 |
Windows Messengerでは、ユーザーの認識を行なうために、必ずPassportアカウントもしくは、Hotmailアカウント(Passportアカウントを含んでいる)が必要になる。さらに、Windows XPでは、ログオン時にPassportアカウントも同時にログオンできる(ログオン機能にPassportのログオンも統合されている)ため、ユーザーは一度Passportアカウントを作成し、ログオンに登録すれば、意識しなくてもPassport機能を利用することができる。
Passport機能は、今後Microsoftが提供していく.NET構想やWeb上のサービス「Hailstorm(ヘイルストーム)」にとって、最も重要な部分となる。このため、Windows XPにおいて無理やりにでも、普及させたいと考えているようだ。
「Start」→「All Program」には、新しく「Windows Catalog」というメニューが増えている。このメニューを利用して、Windows XP Logo プログラムに対応した(Microsoftが認証したアプリケーション)パートナーのアプリケーションを紹介するWebサイトに直接接続することができる。
Windows Catalogのサイト画面 |
Windows Media Player for Windows XP(WMP XP)は、現在リリースされているWindows Media Player 7.1と性能的にはほぼ同じだ。ユーザーインターフェイスは、Windows XPに合わせて、透過ウィンドウが採用されている。CDを入れると、PCがインターネットに接続されている場合は、Windows Media.comにアクセスしてAMGが提供しているCDアルバムのタイトル情報や寸評などが表示される。
さらに、WMP XPから、コーデックとしてMP3が追加される。RC1では、まだ付属はしていないが、最終版までには搭載される予定だ。WMP XPでは、コーデックはプラグインとなっているため、パートナーやユーザーが独自のコーデックを作成して追加することもできるようになっている(APIは公開される予定だ)。
Windows Media Player for Windows XPの画面。きちんとCDの情報を取得してくる | オプションでは、Codecを選択することができる。MP3のCodecは、今回は入っていない |
IE6.0のバージョン番号 |
現在公開されているIE 6.0のプレビュー版には、Office XPで採用されていたSmart Tags機能が入っているが、MicrosoftはIE6.0からSmart Tagsの機能を取り除くと発表している。RC1では、Smart Tagsの機能が動作しないようになっている。
□米Microsoftのホームページ
http://www.microsoft.com/
□ニュースリリース(英文)
http://www.microsoft.com/presspass/newsroom/winxp/default.asp
□関連記事
【7月2日】米Microsoft、Windows XP RC1リリース
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010702/ms.htm
【5月10日】「Windows XP」関連記事リンク集
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/link/winxp_i.htm
(2001年7月4日)
[Reported by 川上哲夫]