「PS2 Linux Kit」ハードウェアレポート



●「PS2 Linux Kit」予定通り到着

 予約販売となっていた「PS2 Linux Kit」が予定通り20日に到着した。

 第一報としてセット内容についてハードウェアを中心に簡単にレポートする。キットが実現するLinuxシステムについては、改めて塩田紳二によるレポートを予定している。

 なお、編集部のLinuxシステムも無事にインストールされ、好奇心の強い部員が張り付いている。

●すべてにロゴがついたパーツ

パッケージ内容
 今回のキットはLinux動作キットであると同時に、将来的に提供が予想されているPS2純正デバイスが一般ユーザーの手に渡る初めての機会でもある。

 キットの内容は、USBキーボード、USBマウス、ハードディスクドライブユニット、ネットワークアダプター(PCカードタイプ)、VGAケーブル、ACアダプタ、LinuxシステムDVD-ROMとなっている。

 キーボードとマウスは“PlayStation 2対応”、ネットワークアダプターとハードディスクドライブユニット(以下HDD)は“PlayStation 2専用”と表記されている。

 各パーツは黒で統一されており、ケーブルに至るまで、もれなくSONYロゴがついている。また、ほとんどの製品にPS2ロゴもついている。

●ごく普通のキーボードとマウス

キーボード マウス キーボード裏面にも刻印

 SCEIからPS2用の純正キーボードとマウスが発売されるのは、これが初となる。ただし、キーボードとマウスはPS2専用ではなく対応とあるだけに、ごく普通の製品だ。キーボードは104キー配列の日本語キーボードで、当然ながらWindowsキーなどはない。ケーブルはキーボードの左側面から出ている。キーボード自体はしっかりとした重量感のあるもの。キーの傾斜は弱く、キータッチはペタペタとした軽いタイプ。弱いがクリック感はある。

 マウスはスクロール機能付きの2ボタンで、サイズは小さめ。通常のボールタイプだ。

●PCカードはATAインターフェイスとEthernet兼用

ケーブルをつないだPCカードの裏表

 HDDユニットのインターフェイスカードはEthernetインターフェイスも兼用している。HDDユニットの電源はACアダプタから12Vが供給される。

●本体と共通性があるデザインのHDDユニット

ユニット外観 ユニット背面 背面の謎のスイッチ

 もっとも注目されるハードディスクドライブユニット(以下HDDユニット)は、PS2本体背面のPCカードスロットからインターフェイスカードを経由して接続される。ケーブルはHDDユニットから生えている。

 HDDユニットはPS2本体と共通性があるデザインだ。ユニットの背面にはスイッチが1つあり、DEVICE 0/1の切り替えとなっている。マニュアルによれば「将来的に本機を拡張したときに使用するスイッチ」であり「本機1台で使用する場合は「DEVICE0」に合わせる」とされている。

 HDDユニットにはファンも用意されており、放熱についても配慮されている。アクセスランプの色は青だ。また、底面のゴム足は長く、縦に2台積み重ねると溝にはまって固定される(ただし横方向のみ)スタッカブルなデザインになっている。

●PS2とディスプレイの接続

接続ケーブル

 PS2とディスプレイとの接続ケーブルも付属しており、接続できるディスプレイは(Sync on Green対応のもの)とされている。接続は、いつものPS2本体背面のAV MULTI OUT端子だ。端子は15ピンのVGA端子と左右の音声端子だけなので、ディスプレイとTVを同時に接続するには別売の「AVアダプタ(SCPH-10130)」が必要となる。


■■ 注意 ■■

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●キーボードとマウスはPCでも使用できた

これはキーボード、マウスも同様に認識される

 ここまで紹介したようにパッケージの内容は汎用品が多い。本来の製品の用途とは異なるが、簡単なテストを行なってみた。

 まず、キーボードとマウスは、汎用のUSB製品にごく近いものと思われるのでWindows 98 SEをインストールしたPCのUSB端子に接続してみた。予想通り、キーボードとマウスの両方が認識され、正常に動作した。

●なんと、HDDもソニー製!?

分解禁止シールをはがすとこのように HDD本体のシール

 HDDユニットはPS2本体と同様に分解を禁止するシールが貼付されている。シールをいったんはがすと修理対象からもはずれてしまうので、分解はお勧めできない。

 少ないネジをはずして、HDD本体を見ると、SONYブランドのHDDが表われた。なんとプレイステーションやプレイステーション2のロゴも入っており、SCEIのHDDというべきだろうか。

 ユニット名は「SCPH-20401」。仕様は16,383シリンダ、16ヘッド、64セクタの40GB ATAPI HDDだ。「ST340823A」という型番から、製造はSeagateと推定されるが、Seagateの名前はどこにもない。また、同社のHDDの特徴である樹脂によるプロテクトがないため、異なった印象を受ける。

 HDDユニット内では、インターフェイスカードから来た信号はそのままHDDに入っており、PS2本体とユニットの間はATAPIでやりとりされていることになる。どうりで太い信号ケーブルだ。HDDユニット背面のスイッチはマスターとスレーブの切り替えだった。

ケースを開けた状態 HDDの裏側 シャーシのコネクタ部分

HDDユニットコネクタ部 ケーブルの配線まわり HDDをはずした状態


BIOS画面
 なお、確認を兼ねて、取り出したHDDをPCにつないでみたところ、無事にBIOSで認識された



□SCEIのホームページ
http://www.scei.co.jp/
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http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20010509/ps2linux.htm

(2001年6月20日)

[Reported by date@impress.co.jp]


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