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展示会場入り口。開場とともに多くの参加者がつめかける |
会場:San Francisco Moscone Center
JavaOneコンファレンスも2日目。このイベント、木曜日(8日)まであり、毎日朝から、キーノートスピーチがあり、コンファレンスもぎっちりとある。2日目のキーノートスピーチは、朝8時半から。昨日より1時間も早い。そのせいもあって会場は満席とはいかない。ステージには、なぜか和太鼓が並び、いきなり、太鼓の演奏が始まる。「太鼓道場」というグループらしいが、外人から「タイコドージョー」と紹介されるとなんか奇妙である。
午前中のキーノートスピーチに登場したJames Gosling氏。Unix用のEmacsの作者として有名だった |
Javaの開発者なので、話の内容は当然Javaについてだが、今回新しく機能追加されるAssertとGenericについての話。前者は、プログラム中に埋め込むテスト用のステートメントで、実行時のエラー検出などに利用する。後者は、テンプレートなどと呼ばれる機能で、こちらは次のJava 1.5から機能追加となる予定。
さて、モスコーンセンターの北館の地下は、展示会場となっている。こちらも結構広く、しかも小さなブースがいっぱい。多くのイベントは、大手のメーカーなどが巨大なブースを並べて、小さなブースは端にちょっとあるだけだが、JavaOneでは、俗に1コマと呼ばれる小さなブースがほとんどを占めていて、IBMやIntelなどのブースも大きくてせいぜい数コマ分ぐらい。
そのほとんどがJava関連のソフトなどを展示しているが、それぞれ、かなり専門化されており、その分野に関わりがないと、見てもなんだかわからないってところもある。今回目に付いたのは、Webサービス関連の製品と、携帯電話などのモバイル関連の製品。前者は、SunがSunOneなどといってWebサービスに力をいれたことを受けたものだし、後者は、昨年のJavaOneで、NTTドコモのJava携帯などが紹介され、ちょっと話題になったことに影響されたもの。ただ、携帯電話系は、キャリア相手の商売となるので、多数のソフトハウスが参入したところで、結局生き残れるところはごく僅かだと思われる。
Webサービス系でも、1つのソースからHTML/XMLやWAPなどに対応可能にさせる開発ツールや、コード変換システム、アプリケーションサーバーなどが目立った。ただ、米国内での話であれば、日本のように多くの携帯電話がデジタル化してなんらかのインターネット対応機能を持っているわけではないので、商売としてはこれからといった感じだろう。
いまのところ、米国内では、NextelがMotorolaのJava対応携帯を採用しているだけで、それよりは、PalmやiPAQといったPDAと無線モデム(双方向ページャのインフラを利用している)の組合せのほうがユーザーが多いかもしれない。なお、PDA系のJavaとしては、Palm系で動くJ2ME(かつてKVMと言っていたもの)と、iPAQにLinuxを搭載して動かすJ2MEがある。ただし、どちらも会場では、エミュレーターを使ってPCのディスプレイで展示しているところが多かった。
会場の周囲全体は、SunのJava関連製品の展示が、1コマブースとしてぐるりと取り巻いており、こちらもかなり数がある。
さて、今回のJavaOneだが、結局、大きな話題がないという点で、1つの節目に来ているのかもしれない。もちろん、Javaが定着したということもあるのだろうが、たとえば、IntelやMicrosoftのイベントでは、話題性を持たせるために、大きな発表をイベントにあわせて行なうのがほとんど。あまりいい方法でもないが、Microsoftなどは、β版の配布をイベントで行なうぐらいだ。開発者としてイベントに参加している分には、コンファレンスが重要なので、それでかまわないのだろうが、外部から見てのニュース性を高めるという点では、Sun自身がやはりJavaでニュースになるような発表を行なうべきだろう。Peer-to-Peer技術のJXTAの発表など、JavaOneに持ってきても良かったのではないかとも思う。イベントに大きな話題を持ってくる相乗効果というのも無視できないところがあると思う。
さて、これが今年限りの問題なのか、それとも今後も続く傾向なのだろうか?
京セラのPDA。Java環境でもあるIntentが動作する | シャープが海外で発売を予定しているザウルス。組み込みLinuxカーネルを使ってJavaを動かす予定 | 同じくシャープが開発したヨーロッパで採用予定の携帯電話(GSM)一体型のPDA。これもJavaが動く |
□JavaOneのホームページ
http://servlet.java.sun.com/javaone/home/0-sf2001.jsp
(2001年6月6日)
[Reported by 塩田紳二]