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冒頭で挨拶を行なった、執行役員 エンタープライズ・ソリューション本部 本部長 瀬戸口氏 |
4月2日 開催
マイクロソフト株式会社は、都内のホテルでOfficeシリーズの最新バージョン、「Office XP」の発表会を行なった。発売は第2四半期としており、遅くとも6月頃には店頭に並ぶことになる。対応OSはWindows 98/Me/NT 4.0/2000で、Windows 95には非対応となる。
●エンドユーザーの負担を軽減
発表会では、今回のOffice XPはエンドユーザーの負担を極力減らすことに注力したことを強調。勝手に文章が修正されたり、機能が多すぎて使いづらいなど、ユーザーからの問い合わせが多い事例について積極的に解決していくという姿勢を示した。
そのため、Office XPでは、「スマートタグ」や、「作業ウィンドウ」など、ユーザーを補助するためのさまざまな機能を備えている。また、ヘルプ機能が強化され、インターネット上からも情報を検索することが可能になった。従来のヘルプトピック上だけでなく、マイクロソフトのサーバー上にあるサポート情報も利用できるため、ユーザーは、より柔軟性のある情報を受けとることができる。
その他にも、インターネット経由で利用可能な30MBのディスク容量を、ユーザーに無償で提供する「MSNストレージサービス」や、インターネットを経由で文章を翻訳するサービスなど、さまざまなサービスが用意されるという。
●操作の自由度を上げるスマートタグ
右下に見えるのがスマートタグ |
従来のOfficeでは、ユーザーが何かの機能を使いたい場合、メニュー項目から決められた項目を選んで実行する必要があったため、使いこなすためにはそれなりの知識が必要であった。
スマートタグではこれらの手順を省略し、ユーザーが必要であろうと思われる機能を、アプリケーション側でリストアップしてくれるというもの。たとえばExcelで数式が設定されたセルをコピーする場合、従来、ただコピーしただけでは数式がコピーされるだけで、正しく表示させることはできなかった。数式ではなく、セルに表示されている数字のみをコピーしたい場合は、別の手順でコピーを行なう必要があった。
スマートタグでは通常のコピーを行なったあとでも、コピーしたセルにアイコンが表示され、それをクリックすることでコピー元の設定を引き継ぐか、引き継がないかなどが選択できるため、いつでも設定を変更できる。
●よく使う項目が並ぶ作業ウィンドウ
作業ウィンドウは、ユーザーが頻繁に使う設定項目などを、常に表示しておき、メニューなどからわざわざ項目を選ぶことなく、素早い操作を可能にする。アプリケーションによって表示される項目が違い、Wordなら、スタイルや書式の設定、PowerPointならスライドのレイアウト表示やデザインのプレビューなどというように、それぞれの特徴に合わせた作業ウィンドウが表示される。
●不正コピーを防止する「Product Activation」
Office XPでは、Windows XPでも採用された、「Microsoft Product Activation」を利用したライセンス認証方式を採用。これはOffice XPインストール時にインターネットまたは電話でライセンスの認証を行なうというもの。これによって製品個々のライセンスがマイクロソフトによって一括して管理されることになる。
認証を行なわない場合、50回までアプリケーションを起動できるが、51回目からはファイルの保存ができなくなるなど、機能限定モードに変更される。ライセンスは、個人でデスクトップやノートパソコンなど、複数のパソコンを持っているというケースを考え、1パッケージのライセンスで2台のパソコンまでインストールすることが可能。また、電話でのライセンス認証は24時間体制で受け付ける予定という。
●単体製品からOfficeへのアップグレードはなし
価格はオープンプライスで、店頭予想価格は以下の通り。Office 2000の「Premium」に相当する「Office XP Professional Special Edition」のみ、新規パッケージ版は用意されない。他の製品についてはアップグレード版と新規パッケージ版が用意されるが、Office XPへのアップグレードには、従来のOffice製品ユーザーである必要がある。
WordやExcelなどの単体製品のユーザーが、Officeへアップグレードする、ということはできなくなった。ただし、Word 2000からWord 2002へのアップグレードなど、単体製品の新バージョンには変更可能。
アップグレード | 新規パッケージ | |
Professional Special Edition | ||
Professional | ||
Standard | ||
Personal | ||
Developer |
●各パッケージの製品構成
従来の「Premium」に相当する「Office XP Professional Special Edition」のみ、特典として光学マウス「InteliMouse Optical」が付属する。各パッケージに含まれるソフトウェアの構成は以下の通り。
Professional Special | Professional | Standard | Personal | Developer | |
Word 2002 | |||||
Excel 2002 | |||||
Outlook 2002 | |||||
PowerPoint 2002 | |||||
Access 2002 | |||||
FrontPage 2002 | |||||
Publisher 2002 | |||||
Bookshelf Basic 3.0 | |||||
メディア コンテンツ | |||||
IntelliMouse Optical | |||||
Developer Tools | |||||
Step by Step Interactive | |||||
SharePoint Team Services |
□マイクロソフトのホームページ
http://www.microsoft.com/japan/
□製品情報
http://www.microsoft.com/japan/office/xp/
□関連記事
【4月2日】マイクロソフト、Office XPへのアップグレードキャンペーンを実施
--Office XPのプレリリース版も2,002名に無償配布
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010402/ms.htm
(2001年4月2日)
[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]