|
■■ 注意 ■■・この記事を読んで行なった行為(分解など)によって、生じた損害はPC Watch編集部および、メーカー、購入したショップもその責を負いません。 ・PC Watch編集部では、この記事についての個別のご質問・お問い合わせにお答えすることはできません。 |
●生者必滅、会者定離
外箱は湯川元専務から白箱に |
この2年とちょっとの間に編集部もだいぶ変わってしまい、担当していた二人ももういない。その間にDreamcastも変わっているのだろうか。これは確認しなければなるまい!!
というわけで、題して「最後のDreamcast分解記」。
●大きな変化はない内部構造
'98年12月の登場時は29,800円だったDreamcastだが、'99年6月に19,900円に値下げされ、この3月1日(一部では2月末から先行して)に9,900円になっている。最初に分解したDreamcastと今回のDreamcastでは約3倍の価格差があるわけだ。
しかし、単純にねじをはずして部品単位に分解したぐらいでは変わっていない部分の方が多い。全体の構成はそのままで、電源のようにリビジョンも変わっていない部品もある。大きな相違点は次の3つだ。
・CPUの冷却方式の変更と、それに伴うファンの変更
・モデムチップの変更
・各ボードのリビジョンアップ
●冷却方法が最大の変更点
表面:本体を開けたときはこちらが見える | 裏面:中央の高くなっている部分がチップに接する |
もっとも大きな変更点は本体を空けてGD-ROMユニットをはずしたときに表われた。基板を覆っている大きな金属板の穴の位置などが大きく変わっているのだ。はずしてみると、裏面には別の金属板が溶接されており、CPUとビデオチップに密着するようになっている。これがヒートシンクの役割を果たすようになっているのだ。
ヒートシンクをはずした状態 | 主要チップ部分のアップ |
前回はCPUとビデオチップのヒートシンクからヒートパイプが生えており、そのままファンへと熱を導いていた。今回はヒートパイプが省略され、この板全体がヒートシンクとなって熱を発散する構造になっている。チップの上には柔らかい素材が張り付けられ、ヒートシンクに密着して熱を伝えるようになっている。また、ヒートパイプにあった温度センサーらしきものも省略された。熱関係のデータ収集が進み、簡略化が進んだものと思われる。
外側からみた状態 | 内部からみた状態 |
ファンも金属枠の高価そうなものから、深いフード状のプラスチック枠に変更された。ファンの位置はやや奥に移動され冷却効率を上げている。
今回の構成の方が、部品の点数や単価を考えるとコスト的には有利と思われる。
●モデムチップの銘柄が変更
モデムチップ | MODEMARU全景 |
また、モデムカードではチップの刻印が変更されていた。これは前回使用されていたRockwellの通信関連部門がConexantとして独立したためで、チップの型番自体は「RP336LD」で変更されていない。ちなみに前回はフィリピン産だったが、今回は韓国産だ。ボードに刻印された「MODEMARU」の字はそのままだが、位置が基板中央に変わっている。パターンは外観からは同じに見える。
●メイン基板などがリビジョンアップ
電源基板 | 本体カバー裏のスナップ |
細かいところではメイン基板が「KATANA VA0」から「KATANA VA1」になっており、裏面のジャンパ線が無くなっていた。電源基板もリビジョンが上がっているようでパターンが異なっている。
なお、パーツの刻印は1999となっているものが多いが、本体カバー裏面の製造日付のスナップによる記録は2000年8月と思われる位置となっていた。このスナップは2003年まで記録可能となっているのが、哀しみをさそう。
●きちんと進化はしていたのだが……
今回分解してみるまでは、ジャンパ線がなくなるなどの小さな変更はあっても、基本的にはそのままの状態なのではないかと思っていた。しかし、冷却方法の変更などきちんとコストと信頼性を上げるための改良が行なわれ、主要な基板もきちんとリビジョンが上がるなど、改良の手が入っていることが確認できた。セガはきちんと努力していたのだ。
いずれにせよ、9,900円という価格では、とてもペイしないだろうという想像はつく。まだ、Dreamcastを手にしていない人はすぐに店頭に買いに行こう。そして、「セガガガ」を予約して、もう一つの未来の夢を見よう。
□Dreamcastのホームページ
http://www.sega.co.jp/dreamcast/
□セガガガのホームページ
http://www.segagaga.com/
□関連記事
【'98年11月27日】Dreamcast発売記念! 購入・分解記
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981127/dc.htm
(2001年3月9日)
[Reported by date@impress.co.jp]