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Intelが第3四半期に導入を予定している、0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIで、SpeedStepテクノロジの次世代技術となるSpeedStepテクノロジ2を導入することが明らかになった。
●Intel関係者がSpeedStep2対応を認める
ポール・オッテリーニ氏の基調講演で公開された0.13μmプロセスのモバイルPentium III搭載ノートパソコン |
SST2とは「SpeedStepTechnology2」の略ではないかと昨日のレポートでは推測したが、本日Intelのモバイルプロセッサ担当であるドナルド・マクドナルド氏(モバイルプラットフォームグループマーケティングディレクター)に「0.13μmのPentium IIIでSpeedStepテクノロジ2が導入されるのは事実か? 」という質問をぶつけてみたところ、「そうだ」という答えが返ってきた。
さらに詳細を質問してみたが、「詳細は現時点ではお話しすることはできないが、製品の出荷までには説明する機会があると思う」とのことで、詳細に関しては明らかにはならなかったが、Intelがモバイル版のTualatinでSpeedStep2を導入するのは間違いないことが確認された。
Latitudeのロゴの横には「SST2+A3」の走り書きが。やはりこのSST2はSpeedStepTechnology2の略だった! |
ただし、現時点ではどのように数段階の電圧・クロック可変が実現されるのか、実際に何段階の可変となるのか、などの詳細は明らかになっておらず、今後の焦点はSpeedStepテクノロジ2の詳細がどのようになっているかだ。
●モバイルのトラックで0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIの詳細が明らかにされる
「Low Power and High Performance Mobile Processor Technology」のトラックで示された0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIの詳細を説明するスライド |
モバイルPC関連のトラックの1つである「Low Power and High Performance Mobile Processor Technology」では、0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIの詳細がさらに明らかになった。
★0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIの強化点
(1)キャッシュの強化
(2)システムバスのクロックアップ
(3)パッケージの改良
35mm×35mm×2.4mm
μFCPGAとμFCBGAがピン互換
柔軟性あるVID(VoltageID)
(4)IMVP II(Intel Mobile Voltage Positioning II)に対応
(5)Deeper Sleepモードの追加
AnalogDeviceのブースに展示されていたmPGA479Mのソケット。これに0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIを挿して利用する |
Intelはキャッシュ周りの強化に関して、具体的には明らかにしなかったものの、OEM筋からの情報によれば、0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIのL2キャッシュは512Kbyteに強化されているという。昨日お伝えしたように、OEM筋の情報によれば第3四半期に投入される0.13μmのモバイルPentium IIIの最初の製品は、1.13GHzと1.06GHzというクロックになるという。この中途半端な数字からもわかるように、システムバスは100MHzではなく、133MHzになっているようだ。つまり、システムバスの強化とは133MHzへのクロック上昇を意味していると考えることができる。
パッケージは初日のレポートでお伝えした、478ピンのPentium 4と同じ35平方mmになることが明らかになった。しかも、ピン数は479ピンとPentium 4よりも1ピン増えているようだ。というのも、展示会場のAnalogDeviceのブースには「mPGA479M」というCPUソケットが展示されており、AnalogDeviceの展示員の説明ではこのCPUソケットは0.13μmのPentium III用であるという。パッケージはFC-PGAを35平方mmに小型化したようなμFCPGAになるようだ。
筆者の取材により明らかになった情報などを付加してまとめると、0.13μmのモバイルPentium IIIのスペックは以下のようになる。
★0.13μmプロセス モバイルPentium III
動作クロック:1.13GHz、1.06GHz(第3四半期の登場時)
システムバス:133MHz
L1キャッシュ容量:32Kbyte(命令32Kbyte+データ32Kbyte)
L2キャッシュ容量:512Kbyte
パッケージ;μFCPGA(479ピン)、35平方mm
CPUソケット:μPGA479M
省電力機能:IMVP II、DeeperSleepモードの追加、SpeedStepテクノロジ2対応
このように、0.13μmプロセスのモバイルPentium IIIは、単に製造プロセスルールが微細化されるだけでなく、L2キャッシュの強化、パッケージの変更、省電力機能の強化などによりモバイルCPUとして全く新しいCPUと言っていいほどのダイナミックな変更が加えられる。冒頭の「SST2+A3」の「A3」はこのマシンに搭載されているCPUがA3ステップであるということを意味している可能性が高く、既にかなり開発が進んでいることを示しているといえる(Bxステップが実際の製品版)。夏頃にはこのCPUを採用した魅力的なノートパソコンを手にすることができる見込みであり、期待したい。
□Intel Developer Forum Conference ,Spring 2001ホームページ
http://developer.intel.com/idf/
□関連記事
【2月28日】ポール・オッテリーニ氏基調講演
0.13μmモバイルPentium III搭載ノートなどを初公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010228/idf05.htm
(2001年3月1日)
[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]