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京セラ Finecam S3 |
Kodakに続く二日目のレポートは、カシオ、京セラ、日本ビクターの3社の新製品を紹介する。
●カシオ、QV-3000EXのマイナーチェンジ版「QV-3500EX plus」発表
QV-3500EX plus |
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カシオは今回、昨年春に発売した334万画素3倍ズーム機「QV-3000EX」のマイナーチェンジモデル「QV-3500EX plus」を発表した。ボディは、従来のシルバー系からつや消し風のブラック系に変更され、従来機よりも高級感がある。
また、「QV-2300UX」や「QV-2800UX」で搭載した、被写体別モードであるベストショット機能が追加されている。この機能は、さまざまな撮影シーンに合わせた専用モードが用意されており、セットされたモードに合わせて自動的にカメラが露出などをコントロールするものだ。さらに、絵づくりの面でも、その被写体に最適な彩度や輪郭強調が適用される。
また、ボタン1つでメールへの添付に便利なVGA(640×480ピクセル)サイズに縮小リサイズする機能が追加された。もちろん、オリジナルは別のファイルに保存される。拡大再生機能と併用することで、表示されている部分だけを別ファイルとして生成することもできるため、トリミング機能として利用することもできる。
操作性も「QV-2300」系モデルと同じような、ショートカットキーでさまざまな設定が容易にできるスタイルに変更されており、なかなか使い勝手のいいモデルに進化した。
米国では5月から出荷が開始されるが、価格は未定。なお、米国では、microdriveの340MBタイプとのセット販売のみになるという。
●京セラ、世界最小の334万画素ズーム機と229ドルの130万画素機を出品
Finecam S33 |
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京セラは今回、PMA直前に日本国内で先行発表した「Finecam S3」を出品した。
本機は、ステンレス外装による世界最小最軽量の334万画素2倍ズーム機ということだが、PMA会場で実機を見ると、その高品位な外装とコンパクトさが実感できる。
サイズは名刺よりもさらにコンパクトな感じで、まさにポケットサイズという感じ。また、発表時の広報写真では、ステンレス外装に見えず、質感は今ひとつという印象があったのだが、どうも広報写真はモックアップだったようで、実際のモデルは予想以上に質感が高い。これまでの京セラブランドのデジタルカメラとは一線を画すレベルで「CONTAX」ブランドでもおかしくないレベルの仕上がりといえる。
操作性もなかなかよく考えられており、使い勝手も良さそうだ。また、沈胴式レンズの出入りやAF測距時の動きもなかなかスムーズ。液晶モニターの表示品質も格段に向上している、現行の「Finecam3300」のようにギクシャクとした印象がない点に好感が持てた。
電源は専用充電池で、ボディ底面に水平方向に装填する。長辺方向はボディの横幅いっぱいに近くある大きなもので、「IXY Digital」用よりも大型のものを採用している。
残念ながら、画質はまだ未知数であり、この点さえクリアしていれば、なかなか魅力的な常用機になりそうだ。
Kyocera EZ1.3 |
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また同社は、アメリカ市場専用機として、229ドルの130万画素単焦点モデル「Kyocera EZ1.3」を同時発表。こちらはパープル系のカラーリングを採用した、スタイリッシュな雰囲気のもの。記録媒体は2MBの内蔵メモリのほか、4MBのCFカードも付属する。もちろん、液晶モニター搭載機だ。
価格が手頃なこともあって、ブースでの人気も上々だった。
CONTAX N Digital |
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なお、昨年開発発表した35mmサイズ600万画素撮像素子搭載デジタル一眼レフ「CONTAX N Digital」は今回もガラス越しでの出展。同機のベースモデルである「CONTAX N1」発表会では、「2001年の5月までに発売し、価格も80万円以下にしたい」ということだったが、今回のPMAではいずれについてもノーコメント。スペックなども発表時からの進展はないという。
展示機はまだモックアップの状態だったが、開発発表時に比べて、細部の作り込みレベルがまったく異なり、このままのデザインや操作部で製品になることは、ほぼ確実といえそうだ。
本来の予定であれば、PMAで正式発表してもいい時期なのだが、この感じでは発売は夏か秋くらいまで延びそうだ。
●日本ビクター、世界最小の縦型DVカメラ「GR-DVP3」発表
GR-DVP3 |
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日本ビクターは今回、スリムでコンパクトなデジタルビデオカメラ「GR-DVP3」をPMAで正式発表した。
このモデルは、他社の縦型モデルと違い、凹凸が少ないスッキリとしたデザインであり、質感も上々。ライバル機である「ソニー DCR-PC5」に比べると高さ方向はやや長めだが、突起部がないぶんより薄型でコンパクトだ。
全面はスライド式のレンズカバーを採用。そのため、レンズキャップのように撮影中に邪魔になることがなく、ケースレスで気軽に収納できるといった大きなメリットがあり、使い勝手はよさそう。
残念ながら、前カバーと電源スイッチが連動しているわけではない。だが、同社のモデルは以前から、メインスイッチをONにしておくと、液晶ビューファインダーを引き出したり、側面の液晶モニターを開くだけで自動的に電源がONになり撮影できるようになるため、なかなかスピーディな撮影ができる。本機にもその機能が搭載されているため、使い勝手はなかなか軽快そうだ。
また、メインとなる操作部は背面に集中しており、右利きの人でも左利きの人でも、同じような感覚でホールディングし、撮影できる点が大きな特徴だ。
背面の大型ダイヤルは、メインスイッチと録再モード切り替え兼用のダイヤル、レンズのズーミングと再生時の送りや戻し用のダイヤルが同心円上に配置されており、なかなかよく考えられたデザインになっている。
さらに使用頻度の高い大容量バッテリも薄型のものが用意されており、装着時にも数ミリ程度出っ張るだけで、携帯性やホールド感を損なうようなことはないという。
CCDは通常の68万画素タイプを採用。静止画記録は、SDメモリーカードとMMCが利用でき、記録サイズはXGAとVGAを選ぶことができる。また、DVテープで撮影した動画を、カメラ本体でMPEG-4フォーマットに変換し、メモリカードに保存する機能も備えている。ただし、カメラから直接メモリカードにMPEG-4で動画撮影をすることはできないという。
なかなか意欲的なモデルだが、もともとPMAは静止画モデルがメインのイベント。しかも北米では価格の関係もあって、縦型の小型モデルへの注目度が日本と比べて低いこともあって、ブースでもあまり積極的に紹介している感じもなく、目立たない存在だったのが実に残念だった。
日本国内での発表時期などは未定というが、近い時期に正式発表される可能性が高そうだ。同じ小型縦型モデルでも「ソニー PC5」や「キヤノン IXY DV」とひと味違う個性派モデルとして注目される。
□PMA2001のホームページ(英文)
http://www.pmai.org/pma2001/
(2001年2月14日)
■注意■
[Reported by 山田久美夫]