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	日本エイサー
	Acer Veriton FP2P800
	セパレート使用も可能な液晶ディスプレイ一体機
	TEXT：館 貴之　Takayuki Tate

液晶ディスプレイは着脱が可能。これによりレイアウトは柔軟に行なうことができる

　Acer Veriton FP2P800は、1,024×768ドット表示対応のTFT液晶ディスプレイを搭載した液晶一体型デスクトップPCだ。基本スペックはCPUにPentium III 800MHz、チップセットにi815E、128MBメモリ、20GBのHDDを搭載し、OSはWindows 2000 Professionalが採用されている。また、Lotus Super Office 2000と、WinDVD 2000がバンドルされる。

　一般に、液晶一体型機のメリットは、ケーブルの接続や機器の設置が簡易なため、セットアップが容易で、かつ省スペースということだろう。FP2P800のセットアップも、電源ケーブル、USBキーボード、USBマウスの3本のケーブルを接続して、電源ボタンを押すだけでディスプレイに初期画面が表示される。また、パワーマネジメントにも対応しているので、電源ONの状態から電源ボタンを押すとサスペンド状態になる。

ディスプレイと本体の接続は、ケーブルを一旦筐体外部に引き出し、DVI-D端子に接続するという形態だ

　このほか、ちょっとした使い勝手のよさに気が配られており、好感を持てる部分が多い。キーボードは10キー付きのフルキーボードで、取り外し可能なパームレストが付いており、これを使用することで手への負担が少なく入力できる。また、10個のワンタッチボタンが装備されており、アプリケーションをボタン一発で呼び出すことができる。さらに、キーボード右上には回転式のサウンド用ボリュームが付いており、これを回すとボリューム制御、押すとサウンドON/OFFできる点が直観的で使いやすい。

　落ち着いたブルーですっきりまとめられたデザインの筐体だが、その上部には取っ手が用意されているため持ち運びは容易で、リビングで使った後に棚に収めておくというような使い方もできる。また、これまでの液晶一体型機と異なり、液晶ディスプレイを取り外すことができるので、オプションのディスプレイスタンドと組み合わせることによって、より柔軟なレイアウトも可能となっている。

液晶一体型機としては非常にめずらしく、AGPスロットを備えており、ビデオカードを装着することができる

　一方、一般的な液晶一体型機のデメリットとして拡張性が低い点が挙げられるが、FP2P800では、それに対するいくつかの工夫がなされている。まず注目したいのは、PCIスロットを持たず、AGPスロットのみを備えるという、これまで類を見ない個性的な仕様だろう。本機を含め、液晶一体型機には3D描画を不得手とするものが多いが、柔軟にグラフィックスまわりを強化できるようにするための配慮と言える。また、USBポートは前面に二つ、左側面に二つ搭載されており、キーボードとマウスを接続した後でも2ポートの空きが確保される。

　さらに、本体前面にはストレージデバイス用に二つのスロットが用意されており、標準で3.5インチFDDとDVD-ROMドライブが搭載されている。ここにはほかに、CD-ROMドライブ、CD-R/RWドライブ、セカンダリHDDが接続できるのだが、電源をONにしたままドライブの交換が可能なホットスワップに対応しているので、オプションドライブを揃えておけば、普段はDVD-ROMドライブでDVD再生を楽しみ、たまにCD-R/RWドライブに交換してデータのバックアップを取るというような使い分けもできる。本機専用のデバイスを購入しなければならないという制限はあるにせよ、おもしろいアプローチだと思う。

本体の前面には、ホットスワップ可能なベイのほか、二つのUSBポートが備えられている

　評価環境では、Pentium III 800MHzの余裕ある処理能力を活かして、DVD-Videoの再生もスムーズに行なえており、3D描画以外で処理能力に不満を感じる場面は少ないと思われる。総体的には、ビジネスからホビーまで、気軽に手広く活用したいというニーズに応えたマシンと言えよう。